2006AW、C.P.Company(シーピーカンパニー)製『スイッチングレザーウール ジップアップジャケット』になります。
C.P. Company(シーピー・カンパニー)とは、1971年にイタリア・ボローニャにて、グラフィックデザイナー出身の "Massimo Osti(マッシモ・オスティ)" 氏によって創設された、機能性と革新性を兼ね備えたアーバンスポーツウェアブランド。
創設当初は『Chester Perry(チェスター・ペリー)』という名称で活動していましたが、1978年に名称を現在の『C.P. Company』へと変更。
ブランド名に込められた "C.P." とは、 "Color of Passion(情熱の色)" を意味し、その名の通り、深い色彩表現と機能性を融合させたプロダクトで、ヨーロッパ中のファッション愛好家や都市生活者の心を掴んできました。
このブランドの最大の魅力は、"テーラー的構築美" と "素材工学の最先端" を見事に融合させたクラフツマンシップにあります。
一言で言えば『機能性を纏うためのデザイン服』—— 正に "着るギア" とも言える存在です。
C.P. Companyを語る上で欠かせないのが、"Garment Dye(ガーメントダイ)" という世界初の革新的染色技術。
通常、服は染められた生地で縫製されますが、C.P. Companyは『完成した製品を丸ごと染める』という全く新しいアプローチを導入。
この技法により、衣服全体に奥行きある色ムラや、トーン・オン・トーンの繊細な表情が生まれ、唯一無二のヴィンテージ感と“風格ある色彩”を実現しました。
この染色技術は、長年の研究開発によって "60,000色" に及ぶ色彩表現を可能とし、他ブランドを圧倒するC.P. Companyの代名詞となります。
更に特筆すべきは、"Double Dye in a Single Bath(二重染色)" という独自手法。
これは、異なる組成の素材を一度に染色し、それぞれの組成に異なる化学的アプローチを施す事で、1着の中に複数の色調を重ね、よりドラマティックな "色の陰影" を生み出すもの。
この染色革命によって、マッシモ・オスティは "素材と色彩の錬金術師" として世界中から注目を集める存在となりました。
アイコニックな "Goggle Jacket(ゴーグルジャケット)" や、視認性・機能性に優れた複数ポケットの採用など、ミリタリーやワークウェアに着想を得たディテールは、実用性だけでなく "服の未来像" を感じさせる独創性に満ちています。
更にオスティ氏は、"ICE Jacket(温度で色が変化するジャケット)" や、"Rubber Flax" ・"Reflective Jacket" といった革新的素材を次々と開発。
デザインとテクノロジーを融合させた "機能美" の探求に終わりはなく、C.P. Companyの服は常に "着る実験場" として進化し続けています。
このような前衛的精神は、C.P. Companyだけに留まらず、マッシモ・オスティが手掛けた他ブランド、『STONE ISLAND(ストーンアイランド)』・『Boneville(ボネヴィル)』・『Left Hand(レフトハンド)』などにも受け継がれ、彼の思想がイタリアンスポーツウェアの枠を超えて世界に広がった事を示しています。
こうした姿勢が評価され、C.P. Companyはロンドン・パリ・東京といった大都市で確固たる地位を築き、ファッションとテクノロジーの交差点に立つブランドとして不動の人気を誇ります。
C.P. Companyとは、"色彩と機能の探求者" であり、"服というプロダクト" に新たな文脈を与えた異端のクラフツマン。
彼らが創り出すアイテムは、ただの衣類ではありません。
着る度に "色が語る物語" を楽しめ、機能美と哲学が込められたその一着一着は、正に都市生活者のための "知的な鎧" とも言える存在と言えるでしょう。
そんなシーピーカンパニーより、2006AWにリリースされた1着のご紹介です。
デザインを手掛けたのは、2001年から2009年まで(2012年に再任)C.P.Companyのクリエイティブディレクターを務めた "Alessandro Pungetti(アレッサンドロ・プンゲッティ)"
ミリタリーアーカイブを深く掘り下げ、それを都市生活者の為に再構築する手腕で知られた彼の、脂の乗り切った時期の作品です。
当個体の骨格を成すのは、第二次世界大戦期にドイツ空軍(Luftwaffe)が運用したフライトジャケット。
その象徴的ディテールを現代的に解釈し、機能性と造形美を同居させています。
まず襟には、目の詰まったムートンを贅沢に用いたボアカラーを装備。
襟裏にはスナップボタン留めのチンストラップを備え、首元をしっかりと包み込みながら冷気を遮断します。
ストラップにはブランドロゴ入りのメタルスナップが打たれ、単なる機能部品に留まらない意匠性を付与。
左胸部には大きめのパッチポケットを配置。
フラップは持たず、片ボタンで留めるシンプルな構造ながら、立体感のあるレザーの質感がフロントビューに力強さを加えます。
両腰部には、斜めに切り込まれたハンドウォーマーポケットを左右に配し、こちらもボタンタブで開口部を固定可能。
防寒性と収納性を両立させる、フライトジャケット由来の実用的ディテールです。
素材構成もまた機能美の一部。
前身頃は重厚なダークブラウンレザー、袖と背面は肉厚な畦編みウールで切り替え、可動域と保温性を確保。
首元内側には、"C.P.COMPANY" のロゴが入ったブランドラベルが付属。
また当個体は、探し求める方も多いであろう貴重な "イタリア製" の個体。
後年のコレクションでは本国生産ではない個体も増えており、イタリア製への拘りを持つ方には特にお勧めしたい一着です。
当個体は、前身頃に高品質なレザーを贅沢に採用。
オイルをしっかり含ませたレザーはしっとりとした手触りと自然な光沢を備え、表面に僅かなシワや色の濃淡が浮かび上がります。
これらは加工ではなく、素材そのものが持つ個性であり、着用を重ねる事で更に深みを増し、唯一無二の表情へと変化していきます。
袖と背面は、肉厚な畦編みウールニットで切り替え。
密度の高い編み立ては保温性に優れるだけでなく、着用時の柔軟な伸縮性を確保し、動きやすさを損なう事がありません。
レザーの滑らかな質感とウールの立体的な編み目が織りなすコントラストは、視覚的にも豊かな陰影を生み出します。
カラーは、深みのあるダークブラウンカラーを基調に、襟元にはクリーム色のムートンを配した構成。
重厚な色調の中に、淡く柔らかな色味が差し込まれる事で、視覚的な硬さを和らげ、品格あるアクセントとして機能します。
光の当たり方によってレザーの艶やかさとウールの陰影が変化し、見る角度ごとに異なる表情を見せるのも特徴です。
重厚感と温もりを併せ持った素材構成と、質感の対比による奥行きのある配色。
その組み合わせは、秋冬のスタイルにおいて確かな存在感を放つと同時に、長く付き合うほど愛着を深めさせる仕上がりとなっています。
サイズ表記は "50"
日本サイズで "M ~ L" 程度に該当するかと思います。
実寸値を見ても日本人体型に合うゴールデンサイズかと思いますので、幅広い体型の方にご着用頂けるかと思います。
経年による多少の使用感は見られるものの、目立った汚れ・傷等も見受けられないグッドコンディションの1着となります。
勿論、着用に問題のある大きなダメージもありませんので、まだまだご着用可能かと思います。
ルフトヴァッフェのアーカイブを再解釈し、都市型ミリタリーウェアとして昇華させた、プンゲッティ期のC.P.Companyを象徴する逸品。
レザーと畦編みウールを巧みに切り替えた構築美、そしてミリタリーアーカイブに基づいたデザインは、都市生活者の為の知的なアウターウェアとして唯一無二の存在感を放ちます。
ワードローブとしては勿論、コレクションアイテムとしても申し分ない1着。
シーピーカンパニーがお好きなコレクターの方でしたら垂涎の逸品かと思いますので、お探しの方はこの機会をお見逃しなく。