1935年支給、フランス海軍『グレーコットンツイル セーラーワークスモック』になります。
スペシャルアイテムの入荷です。
フランス海軍(Marine Nationale)とは、フランス共和国の正規軍を構成する主要軍種の一つであり、国家の海上防衛から海外展開、そして核抑止に至るまで、フランスの外洋戦力を担う存在。
その制度的な起点はルイ13世期、リシュリュー枢機卿によって1626年に『海軍(Marine Royale)』が確立された事に求められ、革命期を経て『Marine Nationale』へと連続していきます。
19世紀には海軍技術の転換期を象徴する艦として、世界初級の外洋装甲艦『Gloire』(1859)や、機械動力で推進した潜水艦『Plongeur』(1863)が語られ、国家の海軍が "次の時代の海" を切り拓いてきた系譜を物語ります。
第二次世界大戦では1940年の敗戦後、自由フランス海軍(FNFL)が1940年7月に創設される一方、1942年11月のトゥーロン自沈という艦隊史に残る重大局面も経験しました。
戦後は再編と近代化を進め、1972年に "FOST / ALFOST" が整備されて以降は、海中戦力による核抑止が国家戦略の柱として位置づけられています。
そして現代のフランス海軍は、公式に4つの主要戦力区分として組織され、核動力空母『シャルル・ド・ゴール』を象徴に、今も外洋での実働能力を示し続けています。
そんな歴史を持つフランス海軍にて、甲板作業服として支給・着用されていたと思われる "Gray Cotton Twill Sailor Work Smock" のご紹介です。
ミリタリーワーク由来の無駄を削ぎ落とした設計でありながら、シルエットとディテールの "間" がとにかく美しい1着です。
最大のポイントは、この "グレーカラー"。
恐らく後染め個体と思われますが、後染めにしてはステッチ糸(綿糸)まで同色に染まりきっておらず、ボディを走る "ブラックステッチ" がしっかりと確認出来ます。
その為、僅かな可能性ながらオリジナルカラーの線も捨てきれない…という浪漫が残る個体。
以前、酷似したオリジナルのグレーカラーで、コットンピケ生地を採用した個体の入荷がありましたが、今回の個体はコットンツイル。
斜めに流れる綾目が品良く浮かび、ピケとはまた違う "静かな強さ" を感じさせます。
フレンチミリタリーの中でも、昨今特に人気の高いモデル。
市場ではナチュラルリネンの個体が多く散見される中で、この "グレー × コットンツイル" の組み合わせは、スタイリングの幅が一段広い印象です。
控え目で小ぶりなショールカラーに、メタルボタンの一点留め。
このシンプル且つミニマルな首元が、合わせる服を選ばず、主役にも脇役にも適するバランスに仕上がっています。
首元が寂しくなりがちなので、スカーフ等で彩ってあげると、グレーの奥行きがグッと立ち上がり良いアクセントになります。
右身頃にうっすらと見えるステッチラインは、内側に付くパッチポケットの縫製跡。
表情はあくまでミニマルに保ちながら、見えない所に実用性を忍ばせた "合理性" が滲むディテールです。
袖口は深めのカフスに、こちらもメタルボタンで留める仕様となっています。
首元内側には、支給年の記載がされたスタンプも薄めながら確認出来ます。
"3 1935" という表記からも、1935年3月に正式支給された個体と推測出来る点も嬉しいポイント。
サイズ表記は確認出来ませんが、日本サイズで "S ~ M" 程度に該当するかと思います。
実寸値を見てもやや小さめのサイズ感となりますので、小柄な体型の方でしたら問題なくご着用頂けるかと思います。
ジャストサイズ・オーバーサイズのどちらで着用しても様になるかと。
汚れ等の使用感はありますが、着用に問題のある大きなダメージは見受けられませんので、まだまだご着用頂けるかと。
外洋戦力の中核として国家の海を担い続けてきた "Marine Nationale"
実戦と合理性の系譜を背負う組織が生んだワークウェアは、ミリタリーの中でも別格の説得力を持ちます。
後染めの可能性があると言えど、市場で多いナチュラルリネンとは異なる『グレー × コットンツイル』は流通が限られ、当店でも滅多に出逢えないスペシャルピース。
ワードローブとしては勿論、コレクションアイテムとしても申し分ない1着。
当ショップでも滅多に入荷しない希少なアイテムとなりますので、お探しの方がいましたらこの機会をお見逃しなく。