推定40年代頃、Le Mont St Michel(モンサンミッシェル)製『コットンストライプ ワークパンツ』になります。
スペシャルアイテムの入荷です。
フレンチワークウェアブランドの中でも、特に高い人気と歴史的価値を誇るのが "Le Mont St Michel(モンサンミッシェル)"。
1913年、フランス北西部ノルマンディー地方ポントルソンにて設立され、その名の通り、世界遺産にも登録されているあのモンサンミッシェル修道院の麓にて創業された事でも知られています。
当初は家族経営の工房としてスタートしましたが、1920年代〜1930年代にかけて急成長を遂げ、ブルターニュ・ノルマンディーを中心に、フランス西部で最も名の知れたワークウェアブランドの一つとして地位を確立しました。
創業当初より、機能性と耐久性を最優先に設計された製品群を展開。
特に農民や職人階級の労働者たちの為に作られた、堅牢なワークジャケットや作業着は、日々の過酷な労働環境において圧倒的な信頼を集めていました。
代表的なアイテムには、厚手のモールスキン生地で仕立てた本格派ワークジャケット・ダミアンコーデュロイを使用したタフなトラウザー・コットンピケによる狩猟用ジャケットやフィールドウェア等が挙げられます。
そのどれもが、特定の作業や産業に適応させる事を前提にデザインされており、ポケットの配置やステッチ構造、リベットやバックルの強度に至るまで、細部に宿る実用性の高さが際立ちます。
また、こうしたディテールに関しては複数の特許を取得しており、正に "用の美" を体現するフレンチワークの代表格と言えるでしょう。
現在でもその伝統は受け継がれており、ヴィンテージ市場においてもブランドのネーム入りラベルを持つ個体は、非常に高い評価と希少価値を誇っています。
そんな約100年の歴史ある名ブランド "Le Mont St. Michel" より、フレンチワークウェア不動の定番アイテムである "ワークパンツ" のご紹介です。
その名に "Work(労働)" の名を冠しながらも、実際には19世紀末から20世紀中頃のフランスにおいて、炭鉱・工場・鉄道・農場など、様々な現場で働く労働者階級に広く支給・着用されていた、極めて実用的な作業用パンツとなります。
当時のフランスでは、産業化と都市化の進展により、多くの労働者が手作業を伴う現場に従事しており、その日々の業務を支える衣服として、このワークパンツは不可欠な存在でした。
中でも特に広く知られるのが、厚手のコットンツイルやモールスキン素材を用いたタイプで、擦れや油汚れに強く、繰り返しの洗濯にも耐える高い耐久性を備えていました。
使用されていたファブリックも多岐に亘り、コットンツイル・モールスキン・コットンピケ・コーデュロイ・ウール・リネン等、環境・地域・季節によって使い分けられていた事が確認されています。
中でも耐久性と保温性を兼ね備えたモールスキン生地は、重作業に従事する労働者の間で特に高く評価され、現在でもヴィンテージ市場で高い人気を誇る仕様の一つです。
『機能美』という言葉がこれ程までに似合うワークウェアは他に無く、"Work Pants" はフレンチワークウェアの象徴として、素朴で力強い佇まいを今に伝える逸品です。
当個体は、ウエスト周りから裾先まで当時の作業服らしい機能ディテールで構成。
まず前合わせは、トップが縦並びの2連ボタン + ボタンフライ仕様。
いずれもオリジナルの打ち込み式メタルボタンが残っています。
比翼内側には、メタルのフック & アイも備わり、作業時の開き防止を担います。
帯は三本針の多重ステッチで堅牢に縫い上げ、ウエスト一周にサスペンダーボタンを配置。ベルトループは設けず、当時の通り "吊る" 着用か、背面シンチでの調整を前提とした設計です。
ポケットはフロントのスラッシュポケットに加え、右腰に小振りのウォッチポケットを配置。
開口部の要所は閂で補強され、口布のアタリまで含めて実用に根ざした作りとなっています。
背面には、クラシックな "針刺し式シンチバック" が付属。
帯中央には可動域を確保するVノッチが切られ、縦に通るセンターシームと相まって端正な後ろ姿を形成。
バックポケットを敢えて省いた簡潔な後身頃も、古い年代の仕事着に見られる特徴です。
シルエットは、同年代のワークパンツと比較しても "細めのストレート"
深い股上から裾に向けて過度なテーパードは掛けず、まっすぐに落ちるレッグライン。
裾幅のすっきりした開きが野暮っぽさを抑え、当時のムードを残しながらも現代的な端正さを備えています。
直線的な落ち感は脚の見え方を縦に整え、視覚的な脚長効果を強調。
細身ながらワタリ幅は可動域を確保している為、快適さとシャープな見え方を両立します
サスペンダーボタンで吊れば重心が上がってラインがさらに端正に。
背面のシンチバックでウエストを微調整できるのも嬉しいポイントです。
無駄のないスリムストレートは、ジャケット合わせの綺麗めから、カバーオールやニットを使ったカジュアルまで幅広く対応。
ストライプの縦走感も相まって、クラシックとモダンが同居するバランスの良い一本です。
モンサンミッシェル製のアイテムとなれば、フレンチワークウェアでも一目置かれる存在。
その価値は他のブランドよりも高く、古い年代であればある程、希少価値は高まります。
ウエストバンド部内側には、モンサンミッシェル製特有となる、黒地に黄色の "刺繍タグ" が付属。
古い年代を象徴する刺繍タグが付いた個体は、お探しの方も多いのではないでしょうか。
当個体は "コットン100%" 生地を採用。
ワークウェアらしい丈夫さを備えつつ、硬さだけに寄らないしなやかな落ち感が魅力です。
穿き込みに応じて糸の毛羽がほどけ、腰周りや膝の屈伸部にアタリが現れながら、身体の動きへ素直に追従。
使い手と共に馴染み、深いパティーナへと育ちます。
カラーは、ワーククロスを想起させるグレーカラー。
そこにホワイト糸で走らせた細ストライプが重なり、チョークラインの様な清潔感を付与します。
直線と斜行の綾目が交差する事で、光の角度によってグレーは鉛色からスレート調まで表情を変化。
経年のフェードが淡いムラ感を生み、無機質さの中に温度のある奥行きを宿します。
主張は控えめ、しかし埋もれない。
静かな存在感で装いに溶け込みながら、"品のある異質さ" を確かに漂わせる、絶妙なカラーリングとファブリックです。
サイズ表記は確認出来ませんが、日本サイズで "L ~ XL" 程度に該当するかと思います。
実寸値を見ても大きなサイズ感となりますので、大きな体型の方でも問題なくご着用頂けるかと思います。
褪色・汚れ・擦れ・ほつれ等の使用感はありますが、着用に問題のある大きなダメージ見受けられませんので、まだまだご着用頂けるかと思います。
数あるフレンチヴィンテージの中でも、特に希少価値の高い "Le Mont St Michel" 製のワークパンツ。
古き良きフランスの職人文化を色濃く映し出した、歴史と実用性を兼ね備えた一本です。
グレーのワーククロスに走る繊細なストライプ。
控えめながらも静かな存在感を放ち、クラシックとモダンが絶妙に交錯する佇まいは、正に "用の美" の体現と言えるでしょう。
ワードローブとしては勿論、コレクションアイテムとしても申し分ない1着。
当ショップでも入荷の少ない希少なアイテムとなりますので、お探しの方がいましたらこの機会をお見逃しなく。