推定40年代頃、フランス軍『キャバリエレザーベスト』になります。
フランス軍(Armée française)とは、フランス共和国の正規軍であり、主に陸軍(Armée de Terre)・海軍(Marine nationale)・空軍および宇宙軍(Armée de l'Air et de l’Espace)・国家憲兵隊(Gendarmerie nationale)から成り立っています。
この中で狭義の『フランス陸軍(Armée de Terre)』は、最も古い伝統を持ち、その起源は中世カペー朝時代にまで遡る事が出来ますが、近代的な国家軍としての体制は、フランス革命(1789年)以降に確立しました。
第一次世界大戦では、フランス陸軍は連合国側の主力として戦い、多大な犠牲を払いながらも勝利に貢献。
続く第二次世界大戦では、1940年のドイツ軍による電撃戦で敗北し、ヴィシー政権下では一部の軍がドイツの管理下に置かれましたが、一方で "自由フランス軍(Forces françaises libres)" がシャルル・ド・ゴールの指導の下、連合国と共に活動しました。
第二次大戦後、1946年に第四共和政が成立すると共にフランス軍は再編され、植民地戦争(インドシナ戦争・アルジェリア戦争など)に従軍。
その経験は冷戦下の軍事ドクトリンにも影響を与えました。
現在のフランス軍は、欧州連合・NATO・国連の枠組みを通じて、国際安全保障の主要な担い手としての地位を維持しており、特にサヘル地域での対テロ作戦(オペレーション・バルカン)や、空母『シャルル・ド・ゴール』などを基軸とする外征能力によって、グローバルな軍事行動を展開しています。
そんなフランス軍より、騎兵隊に支給・着用されていた "Cavalier Leather Vest" のご紹介です。
Cavalier(キャバリエ)とは、フランス語で『騎手/騎兵』を意味し、軍事文脈では騎兵隊員を指す語です。
フランス陸軍における騎兵(Cavalerie)は、1445年に創設された王国の常備『騎兵中隊(compagnies d’ordonnance)』を源流とし、『機動』と『奇襲』を旨とする兵科として発展してきました。
ナポレオン時代には、重騎兵(胸甲騎兵・カラビニエ)/ 軽騎兵(ユサール・シェヴォー=レジェ=ランシエ/シャスール・ア・シュヴァル)/ 竜騎兵(ドラゴン)といった系統が整備され、偵察・側面機動・追撃から決定打の突撃まで、会戦の要を担いました。
この編制と役割の明確化は、当時のフランス騎兵を欧州随一の機動打撃力として際立たせた要因です。
20世紀には『機械化騎兵』への転換が進み、戦間期 〜 第二次大戦期には騎兵師団(DLM)や "騎兵戦車" SOMUA S35に代表される装甲戦力を装備。
騎兵は馬から装輪 / 装軌の機動戦闘車両へと主力を移し、機動偵察と打撃を両立する兵科として再定義されました。
第二次大戦後は『装甲騎兵(Arme blindée cavalerie)』として再編され、現在もフランス陸軍の機動・偵察・先遣打撃を担う中核とされています。
歴史的背景も魅力の "Cavalier Leather Vest" 。
英国起源とされる "ジャーキンレザーベスト" を想起させつつも、実は全くの別物と言える個性を備えた、現代目線でも非常に優秀な一着です。
首元は弧を描いて詰まったノーカラー。
襟の出っ張りが無いぶんレイヤードの自由度が高く、シャツからニット、スウェットまで素直に馴染みます。
前合わせは、フロントに7つのボタンを密に配したクラシックな構成。
視覚的な縦のリズムを生み、閉じても開けても端正に決まります。
最大の相違点は "着丈" 。
ジャーキンに比べて意図的に短丈に設計されており、腰位置でバランスよく止まる為、上から羽織るだけで全身の比率が整います。
インナーベストとしてアウターやコートの下に差しても嵩張りにくく、見た目と実用を両立したレイヤードの名脇役です。
生地には恐らく "Cow Leather(カウレザー)" を採用。
カウレザー(牛革)とは、生後2年以上経過した牛から作られる革。
革の中でも特に強度・耐久性が優れており、他の動物の革と比較しても耐摩耗性に優れています。
表面はしっかりとした質感を持ち、適度な硬さがありながらも、使い込む程に柔らかさと独特の艶が増していきます。
カウレザーの堅牢さは、長年の使用にも耐え、手入れ次第で美しくエイジングしてくれるでしょう。
レザーは硬いから…という懸念もご無用。
既に身体に吸い付くような柔らかさが出ており、着用初日から馴染む即戦力のコンディションです。
裏地には、ウールを採用。
保温性をしっかり確保しつつ、レザーの風を防ぐ特性と相まって体温を逃しにくい構造。
見た目のシャープさに反して、秋冬シーズンの実用性にも抜かりがありません。
サイズ表記は確認出来ませんが、日本サイズで "M" 程度に該当するかと思います。
実寸値を見ても日本人体型に合うゴールデンサイズかと思いますので、幅広い体型の方にご着用頂けるかと思います。
ジャストサイズ・オーバーサイズのどちらで着用しても様になるかと。
褪色・汚れ・擦れ・小穴・ボタンの付け替え・ボタン欠損・割れ・剥がれ等の使用感はありますが、着用に問題のある大きなダメージは見受けられませんので、まだまだご着用頂けるかと。
ヨーロッパ各国で着用されていたジャーキンレザーベストとは似て非なる存在の "Cavalier Leather Vest"
騎兵仕様の独自設計。現存数は極めて限定的。
ワードローブの核としては勿論、コレクションピースとしても申し分のない一本。
当ショップでも入荷の少ない希少なアイテムとなりますので、お探しの方がいましたらこの機会をお見逃しなく。