推定40年代頃、Belle Jardiniere(ベル・ジャルディニエール)製『ホワイトコットン スタンドカラーシャツ』になります。
Belle Jardiniere(ベル・ジャルディニエール)とは、1824年、パリ中心のイル・ド・ラ・シテで産声を上げた歴史ある百貨店。
創業時から販売フロア・作業場・従業員宿舎を同じ屋根の下に抱えるという当時として革新的な体制を築き、価格に敏感な層にも手が届く "既製服(プレタポルテ)" を継続的に供給してきました。
オーダー中心だった時代に "規格化された服を、わかりやすい値段で" 提供した存在として、フランスの衣服流通に確かな足跡を残します。
1864年、オテル・デュー病院の再建計画に伴う立ち退きを受け、店舗はポン・ヌフ近く・ケ・ド・ラ・メジスリへ移転。
新館の設計は、当時オペラ地区やサン=ジェルマン大通りで多くの案件を手がけた建築家 "アンリ・ブロンデル" に委ねられ、1866年着工、1867年に竣工(同年4月に一部先行オープン)というタイムラインで完成を見ました。
戦後の1950〜60年代、ベル・ジャルディニエールは『安価で実用的な服を選ぶならまずここ』と記憶される存在に。
とりわけ紳士服やワークウェアは、堅牢な素材選びと実直なパターンメイキングで幅広い層の信頼を得ました。
一方で、既製服の大量供給が一般化すると同店の "先駆性" は相対的に薄れ、1972年に営業を終了。
役割を終えた後も、仕立ての端正さと価格設計の誠実さで、今なお世界中のコレクターに愛されるフレンチヴィンテージの象徴となっています。
そんなベル・ジャルディニエールより、シンプルなコットンシャツのご紹介です。
無地のホワイトシャツながら、よく見るとごく細かな畝が走るコットン生地を採用しており、光の当たり方でさりげなくストライプの様な表情が浮かび上がる1着。
ディテールは、首周りをすっきり見せてくれるスタンドカラー仕様。
タイドアップの必要がない分、ボタンを一つ開けるだけで抜け感のある首元がつくれ、ジャケットやコートのインナーに差した時も襟元がもたつかないのも嬉しい。
この年代のフレンチシャツでは珍しい、フルオープン仕様の前立てというのも大きなポイント。
一般的なプルオーバー(所謂グランパシャツ)に比べて着脱が容易で、羽織りとしても使える汎用性の高さが魅力です。
裾は前後差のあるロングテールで、元々はタックイン前提の設計。
腰位置でしっかりとパンツインすると、美しいドレープが生まれ、クラシックな佇まいを楽しめます。
脇には古いフレンチシャツらしい "三角マチ付き" 。
強度確保の為の実用ディテールながら、横から見た時にさりげないアクセントとしても機能してくれます。
首元の内側には、2枚のタグが並ぶ贅沢なディテールも見逃せません。
上側の『TEXTILISÉ』タグは、当時のイージーケア加工を示すテキスタイルマークで、ラベルのフランス語表記には『でんぷん糊付け不要・湿った状態でアイロンを』といった旨の注意書きが読み取れます。
要するに、日常のケアがしやすい様に工夫された上質シャツである事の証。
下側には、筆記体で "Belle Jardiniere" と刺繍されたブランドタグが付き、老舗百貨店ブランドらしい誇りと品格を感じさせます。
古い年代を象徴する刺繍タグが付いた個体は、お探しの方も多いのではないでしょうか。
デニムやミリタリーパンツにラフに合わせて "抜けたドレスシャツ" として着るのも良いですし、テーラードジャケットの下に差して襟だけ覗かせれば、クラシックとモダンが同居したスタイリングに落とし込めるかと。
シンプルに見えて、細部にフレンチヴィンテージらしい拘りが詰まった、ワードローブの軸に据えたくなる1着です。
当個体は "コットン100%" 生地を採用。
ドレスシャツに用いられる様な細番手の糸で高密度に織り上げられた、非常に繊細な薄手ファブリックが特徴です。
肌に触れた瞬間に感じるのは、サラリとした滑らかさと、空気を含む様な軽やかさ。
光にかざすとインナーの輪郭がほんのりと浮かび上がる程度の薄さで、ふわりと身体に沿って落ちるドレープも相まって、ヴィンテージながらどこかドレッシーなニュアンスを漂わせてくれます。
生地表面には、上述の通り織りによってごく細かなストライプ状の畝が表現されており、フラットなブロードとは一味違う奥行きのある表情に。
動く度に畝が光を拾い、さりげない陰影を生み出す事で、オールホワイトでありながら一枚で様になる存在感を演出してくれます。
カラーは、爽やかかつクリーンな "ホワイト" カラー。
真っ白ゆえの硬さや制服感を、織りで表現された控えめなストライプと生地の陰影が程良く中和してくれるので、どこか柔らかく抜けのある印象に。
薄手ならではのほんのりとした透け感が、インナーの色やレイヤードをさりげなく浮かび上がらせてくれる為、敢えて色物のカットソーやタートルネックを忍ばせてニュアンスを楽しむのも個人的にお勧めです。
ミニマルなスタンドカラーのデザインに、この上品なホワイトと繊細な生地表情が重なる事で、クラシックなフレンチヴィンテージでありながら、どこかモードで現代的な空気感を纏った1着に仕上がっています。
サイズ表記は確認出来ませんが、"S ~ M" 程度に該当するかと思います。
実寸値を見てもやや小さめのサイズ感となりますので、小柄な体型の方でしたら問題なくご着用頂けるかと思います。
汚れ・擦れ・小穴・破れ等の使用感はありますが、着用に問題のある大きなダメージ見受けられませんので、まだまだご着用頂けるかと思います。
フレンチヴィンテージがお好きな方でしたら、避けては通れない "Belle Jardiniere" の逸品。
まずは取り入れやすいトップスから揃えて頂くのも良いかと思います。
当ショップでも入荷の少ないアイテムとなりますので、お探しの方がいましたらこの機会をお見逃しなく。