推定60年代頃、アメリカ製『ブラックレーヨン ショートスリーブボーリングシャツ』になります。
古き良きアメリカンカルチャーを色濃く反映した、当時のレーヨンシャツの中でも、素材・カラー・刺繍の全てにおいて高水準な完成度を誇る逸品。
最大の魅力は、ヴィンテージ市場でも見かける機会の少ない "オリジナルブラック × レーヨン" の組み合わせ。
現存数の極めて少ないブラックレーヨンは、良好なコンディションで現代に残る事自体が珍しいかと思います。
襟元は、やや開きの広いオープンカラー仕様。
この開放感のある設計は、ヴィンテージシャツの中でも特にリラックスした雰囲気を醸し出す要素の一つ。
胸元のラインをすっきり見せながら、インナーとのレイヤードも楽しめる作りになっています。
フロントには、左右対称に配置されたポケットと、それぞれに施されたホワイトのシェル調ボタン。
やや丸みを帯びたポケットフラップのラインが、どこか柔らかさと余裕を感じさせ、赤のネーム刺繍 "Benny" が程良いアクセントとして効いています。
このシャツの特筆すべき構造は、袖の内側に切り替えで仕込まれたリブ素材のセクション。
ストレッチ性のある畝編みのイエローリブが、運動時の可動域を確保すると同時に、視覚的にもツートーンの彩りを加えており、当時のアメリカンスポーツウェアらしい "機能美と装飾性" が垣間見えます。
また、ボーリングシャツ特有の背面いっぱいに施されたチェーンステッチ刺繍もポイント。
赤と白の糸を使い分け、『H&R SWEET SHOP』── 南部サウスカロライナ州 "Mt. Pleasant" のローカルショップ名が躍るデザインは、当時のユニフォーム文化を象徴する様な温かみのあるグラフィック。
その下には、ボウリングピンとボールが組み合わさったモチーフが描かれ、プレイヤー達の熱気や楽しげな空気が想起される、ノスタルジックな世界観を形成しています。
首元内側には、白地に黒色の "TOWN TOPIC" 社製の "刺繍タグ" が付属。
古い年代を象徴する刺繍タグが付いた個体は、お探しの方も多いのではないでしょうか。
当個体は、"レーヨン100%" 生地を採用。
とろみのある柔らかな質感で、肌に触れた瞬間からしっとりと馴染む滑らかさ。
繊維の間を空気が抜ける様な軽やかさを持ちつつも、生地表面にはほんのりとした光沢が浮かび、着用時には自然なドレープが生まれます。
この素材が醸し出すのは、"抜け感" と "艶感" の絶妙なバランス。
カラーは、ヴィンテージシャツの中でも圧倒的に流通数が少ない、オリジナルブラックカラー。
単なる黒ではなく、レーヨン特有の光の屈折によって、柔らかく沈む様な質感を持つ深みのあるトーン。
着込まれた事で僅かに褪せた箇所が、墨の様に滲むニュアンスを加え、平面的ではない "奥行きのある黒" を形成しています。
無機質で冷たい印象になりがちなブラックに、どこか温度と湿度を感じさせるその表情は、正にこの年代・この素材だからこそ生まれる色合い。
華美ではなく、かといって凡庸でもない。
"沈黙の美" とも言えるブラックの妙を体現した一着です。
サイズ表記は "L(16 , 16 1/2)"
日本サイズで "M ~ L" 程度に該当するかと思います。
実寸値を見ても日本人体型に合うゴールデンサイズかと思いますので、幅広い体型の方にご着用頂けるかと思います。
小穴等の使用感はありますが、着用に問題のある大きなダメージは見受けられませんので、まだまだご着用頂けるかと。
アメリカ中西部で生まれたブランドである "TOWN TOPIC" が繰り出す、極めて希少なブラックレーヨンによって仕立てられたボーリングシャツ。
単なるボウリングシャツでは終わらない、"地域性・実用性・遊び心" の三拍子が揃ったオリジナルピース。
量産の現代では到底再現出来ない、唯一無二の空気感を備えた一着です。