推定70年代頃、フランス製『2トーン ラグランスリーブレザージャケット』になります。
当ショップでは数多くのレザープロダクトを見てきましたが、まだまだ見た事のない素晴らしい個体も存在しているもんですね。
レザージャケットというアイテムの歴史を紐解けば、その多くはアメリカやイギリスの文脈で語られる事が多いわけですが、フランスという国もまた、独自の感性でレザーカルチャーを築き上げてきた国の一つ。
そしてこの1着は、正にフランスでしか生まれ得なかったであろう、唯一無二の空気を纏っています。
まず、何よりも圧倒的なのが、この配色。
深みのあるディープティールのボディに、マスタードイエローのストライプが大胆に走る。
しかもこのストライプの配し方が、実に計算高い。
前身頃にはジップの左右にそれぞれ2本ずつ、計4本のマスタードイエローのストライプが縦に走り、更に左袖の上腕部にのみ2本の横ストライプが配されています。
右袖にはストライプを入れない。
この非対称の美学。
左右均等に配すれば安定感は出るけれど、それではどこか『普通』に収まってしまう。
敢えて片袖だけにアクセントを入れる事で、全体に動きとリズムが生まれ、着用時のシルエットにも奥行きが宿る。
この辺りの感覚は、やはりフランスのプロダクトならではだなと唸らされます。
ジャケット中部の左右には、縦型のハンドウォーマーポケットを配置。
スリット状に切り込まれたこのポケットは、視覚的にはミニマルでありながら、実際に手を入れてみると十分な深さと幅が確保されており、実用性を損なわない設計。
ストライプとのバランスも絶妙で、装飾過多に陥る事なく、スッキリとした面構えを保っているのが好印象です。
背面はストライプの主張を抑え、ティールカラーのレザーのみで構成されたクリーンな表情。
センターバックの縫い合わせや、ヨーク部分の切り替えなど、パネル分割の妙が光ります。
前面の華やかさと背面のストイックさ、この緩急のつけ方がこれまた憎い。
前合わせは、ジップファスナーによるジップアップ式。
ジップスライダーには、 "ailee" 社製のジップを採用。
生地は表記等が無いので断言出来かねますが、表地はリアルレザー(恐らくラムもしくはカーフ系のスムースレザー)を採用しています。
触れた瞬間に分かるこの柔らかさ。
レザージャケットにありがちな『最初は硬くて馴染むまでが大変』という問題とは無縁の、最初からしなやかに身体に寄り添ってくれる革質です。
それでいて、表面にはしっかりとしたシボ感があり、経年によって刻まれた皺やアタリが独自の味わいを醸し出している。
柔らかさと表情の豊かさが両立しているのは、上質な原皮を丁寧に鞣した証拠でしょう。
長時間の着用でもストレスを感じさせない、この着心地の良さは当個体の大きな強みと言えます。
カラーは、前述の通り "ディープティール × マスタードイエロー" の2トーンカラー。
ティールという色は、ブルーともグリーンとも言い切れない、その中間に漂う実に曖昧で、だからこそ奥深い色合い。
光の当たり方によって表情を変え、屋内ではやや落ち着いたグリーン寄りに、屋外の自然光の下ではブルーの要素が顔を覗かせる。
そこにマスタードイエローという、温かみのあるアースカラーが差し込まれる事で、全体のトーンが一気に引き締まると同時に、レトロスポーティな雰囲気が加速する。
この2色の組み合わせは、現代のブランドではまずお目にかかれない、ヴィンテージならではの色彩感覚です。
サイズ表記は "S"
日本サイズで "S ~ M" 程度に該当するかと思います。
実寸値を見ても日本人体型に合うゴールデンサイズかと思いますので、幅広い体型の方にご着用頂けるかと思います。
ラグランスリーブの構造上、肩幅の概念がセットインとは異なり、肩の落ち感によって自然なリラックスシルエットが生まれます。
アームホール幅も十分に確保されており、インナーにニットやスウェットを挟んだレイヤードスタイルにも対応可能な余裕を感じさせます。
ほつれ・小穴・生地特有の剥がれ等の使用感があります。
ヴィンテージのレザー製品としては寧ろ良好なコンディションと言えるかと思いますので、まだまだ永くご着用頂けるでしょう。
配色、シルエット、ディテール、革質。
どれを取っても現代のプロダクトでは再現困難な、時代の空気と職人の感性が凝縮された1着。
ヴィンテージレザーの本質に触れたい方、他人と被らない唯一無二の1着を探している方に、心からお勧めしたい逸品です。
今後も出会える保証の無い、極めて希少な1着となりますので、是非この機会をお見逃しなく。