【~70's】Old GUCCI 2 Tuck Turn Up Wool Trousers Size.52

推定70年代頃、GUCCI（グッチ）製『2タックターンナップ ウールトラウザーズ』になります。

GUCCI（グッチ）とは、1921年に創業者である "Guccio Gucci（グッチオ・グッチ）" によって、イタリア・フィレンツェにて創業されたラグジュアリーブランド。

元々は旅行バッグ・馬具等の高級皮革製品店を創業したのがブランドの始まりのグッチですが、今日までバッグ・靴・財布をはじめ、服・宝飾品等の幅広い展開をしています。

1930年以降次々と新規店をオープンしたグッチでしたが、第二次世界大戦の開戦による物資不足がきっかけで、革の使用が困難となりました。

その際の代替品として採用されたのが "キャンバス地" で、このキャンバス地に特別なコーティングを施して使用する事にし、その配色が人気を博したそう。
また同時期に代替品として "竹" も使用され、こちらは現在も "バンブー" の名でアイコンとして人気を博しています。

1950年には、馬具の腹帯にヒントを得た "緑 ＝ 赤 ＝ 緑" のリボンが登場し、ブランドの象徴として親しまれました。

創業者であるグッチオ・グッチは1953年に生涯を終え、その後は息子達が事業を継承。
その後20年以上にわたり、グッチは黄金期と呼ばれる全盛の時代を迎える事になります。

1980年代に起こった継承者争いによって一時ブランド衰退の危機を迎えますが、1994年にクリエイティブ・ディレクターに就任した "Tom Ford（トム・フォード）" によってグッチは再建。

グッチは "ブランドの元祖"とも呼ばれ、世界で初めて品質保証の為にデザイナーの名前を商品に入れた事でも知られています。

特にグッチ一族が手がけたオールドグッチの製品は現在も根強い人気があり、世界中にコレクターがいる程。

そんなオールドグッチより、2タック仕様のウールトラウザーズのご紹介です。

個人的には重要なディテールである、腰回りにゆとりを持たせた "普遍的な2タック" の構築。

個人的にも私物で多数タック入りのスラックスを集める程好きなディテールですが、やはりタックが入るだけで立ち姿のドレープが一段綺麗に出る。
トップスをタックインしても間延びせず、むしろ腰回りの余白が "大人っぽさ" として機能してくれるバランスです。

また、ベルトループ付きのウエスト周り、深めに取られたサイドポケットの入り方も相まって、日常着としての使いやすさがしっかり担保されています。

バックスタイルは、ボタン留めのポケットが2つ配された端正な設計。

フロントはジップフロント仕様。
ジップスライダーには、無刻印ジッパーが採用されています。

裾部は、"Turn Up" 仕様（ダブル仕上げ）。

軽快なライトオンスのウールに対して、ダブルが程良い重みと輪郭を足してくれるので、シューズにワンクッション置いた時の収まりがとても綺麗。
ローファーや短靴は勿論、少しボリュームのあるブーツでも足元が負けず、スタイリングの軸として使える仕様となっています。

ウエストバンド部内側には、1970年代頃の個体に見られる "GUCCI" の記載がされた、ブランドタグが付属。
タグ内に "MADE IN ITALY" の表記が見られる点から、当個体は本国イタリアにて生産された1着となります。

シルエットは太すぎず細すぎず、僅かにテーパードがかったライン。

タックのゆとりを活かしつつ、裾に向かって自然に整うので、ジャケットでドレスにも、ニットで崩しても成立する "丁度良さ" が魅力。
厚手のウールではなくライトオンスで着用しやすく、シーズンを跨いで登板回数が増える一本です。

当個体は、"WOOL 100%" 生地を採用。

細かな杢感を含んだライトオンスウールで、重たさのない落ち感と、空気を纏う様なドレープが魅力。
表面はほんのり起毛を帯びたマットな質感で、チクチク感の少ない柔らかな肌当たり。

軽やかに穿ける反面、ウールならではの品と温もりはきちんと残り、日常の所作まで綺麗に見せてくれます。

カラーは、深みのあるチャコールグレーカラー。

黒に寄りすぎない絶妙な濃度の "チャコールグレー" は、静けさの中に凛とした強さを宿した色味です。
微細な杢と起毛感が光を柔らかく受け止め、角度によって濃淡のニュアンスが滲む様に浮かび上がります。

ウール特有のしなやかな落ち感に、チャコールの端正な色調を掛け合わせる事で、クラシックでありながらどこかモードな空気感に。
軽めのウールだからこそ色が重く沈まず、秋冬は勿論、季節を跨いでスタイリングに馴染む懐の深さも魅力です。

ファッション史の中でも異彩を放つ、"Old GUCCI" ならではのプロダクトとして、ヴィンテージラバーからも一目置かれる存在と言えるでしょう。

サイズ表記は "52"
日本サイズで "L ~ XL" 程度に該当するかと思います。

実寸値を見ても大きなサイズ感となりますので、大きな体型の方でも問題なくご着用頂けるかと思います。

小穴・裏地破れ等の使用感はありますが、着用に問題のある大きなダメージは見受けられませんので、まだまだご着用可能かと思います。

ブランドの元祖と呼ばれる、イタリアを代表するラグジュアリーブランドである "GUCCI"
グッチの中でもグッチ一族が手掛けた数少ないオールドグッチのアイテム達は、コレクター垂涎の逸品。

ワードローブとしては勿論、コレクションアイテムとしても申し分ない1着。
当ショップでも滅多に入荷しない希少なアイテムとなりますので、お探しの方がいましたらこの機会に是非いかがでしょうか。