推定70年代頃、Belstaff(ベルスタッフ)製『トライアルマスター』になります。
Belstaff(ベルスタッフ)とは、1924年に創業者である "Harry Grosberg(ハリー・グロスバーグ)" によって、イギリス・スタッフォードシャー州ロングトンにて創業した、老舗英国ブランド。
ブランド名の《 Belstaff 》は、創業地である "Staffordshire(スタッフォードシャー)" の "Belper Mill(ベルパーミル)" から名前を取ったと言われています。
ベルスタッフは、防風、防水の機能素材が存在していなかった時代に、『防水』・『防風』・『浸透性』・『剛性』に優れた、ワックスドコットンを使用して人気を博しました。
ライダーのみならず、ドライバー・パイロットなどの過酷な状況下で働く職業の人々にも愛用されていました。
特に、1950年代に発表された人気モデルである "Trialmaster(トライアルマスター)" は、当時著名だったモーターサイクルレーサーや映画スター達にも愛用され、ブランドの知名度を押し上げました。
稀代の名俳優、スティーブ・マックイーンもベルスタッフ愛用者なのは、言うまでもなく有名な話でご存知の方も多いでしょう。
1990年代には一度経営が低迷し、イタリアの企業グループが買収する形でブランドを再生。
これを機に、アウトドア向けのブランドから、ラグジュアリーブランドへと方向転換を図り、特にレザージャケットやライダースジャケット等、洗練されたデザインのアイテムを展開する様になりました。
現在もオートバイ文化や冒険者に根ざした伝統を守りながらも、現代的なデザインやスタイルを取り入れ、世界中のファッション愛好家から支持されています。
今回ご紹介するのは、1950年代に発表されたベルスタッフの永遠の定番モデルでもある "TRIALMASTER(トライアルマスター)"
1952年までに共産主義革命家 "チェ・ゲバラ" が、オートバイに乗って南部を走る際にトライアルマスターを着用した事がキッカケで急速な人気を博し、1960年までにベルスタッフ社の中で売り上げナンバーワンとなった当モデル。
1963年にはスティーブ・マックイーンが、映画『大脱走』でトライアルマスターを着用し、その際の有刺鉄線を飛び越えるバイクシーンが有名ですね。
導入当時、SSTD(Scottish Six Days Trial)の過酷な天候や走行条件に耐えられる様に設計され、最初にテストしたのは当時18歳だった "Sammy Miller(サミー・ミラー)" だったそう。
彼はその後1,000回以上のレースでベルスタッフを着用し、ベルスタッフに敬意を表して名付けられたジャケットのラインを持っています。
それこそが今回ご紹介する、通称 "サミー・ミラータグ" が首元内側に付く個体となります。
サミー・ミラーとは、イギリスのトライアルレーサーであり、トライアルの神様とも言われたベルスタッフ愛用者。
当時、トライアルレースで通算1,300勝以上をあげ、1960年代のSSTD(Scottish Six Days Trial)を牽引した歴史を持ちます。
今回ご紹介する個体は、黒地に金色刺繍が施された、所謂 "サミー・ミラータグ" が付く希少性の高い1着となります。
前合わせはスナップボタンとジッパーの二重構造・計4つのフラップ付きパッチポケット・ウエストベルト・スロートラッチ・肘パッド・肩の補強のディテールは、トライアルマスターならでは。
更に当個体では、右腕部に "ITALIA" の後付けパッチも縫い付けられており、良いアクセントとなっています。
前所有者はイタリア人なのか、イタリアでレースに参加していたのか、色々と想像が膨らみますね。
通常トライアルマスターは、各部ポケットが平行に取り付けられておりますが、サミー・ミラータグが付く1970年代初頭頃の個体までは、左胸ポケットが斜めに取り付けられています。
バブアーのインターナショナルと同様のディテールで、斜めポケットで探す方もいる程に、この年代までのトライアルマスターの人気は圧倒的です。
前合わせには、ジップファスナーとスナップボタンでの比翼式の二重構造が採用。
ジップスライダーには、"YKK" 社製ジップが採用されています。
この年代のオイルドジャケットの特徴として、レザーの様な重厚感のある生地となっており、近年のオイルドジャケットと見比べても一目瞭然で雰囲気は抜群。
欠損しがちなベルトも完備していますので、ベルトを絞りシルエットの変化も楽しめる2WAY仕様となりますので、ご着用時の気分によって是非変えてお楽しみ下さい。
サイズ表記は確認出来ませんが、日本サイズで "M ~ L" 程度に該当するかと思います。
実寸値を見ても日本人体型に合うゴールデンサイズかと思いますので、幅広い体型の方にご着用頂けるかと思います。
ライディングウェアらしくジャストサイズでのご着用でも良いですし、カジュアルに大きめに羽織って頂いても様になる1着かと。
汚れ・小穴・ベルトの付け替え等の使用感はありますが、着用に問題のある大きなダメージは見受けられませんので、まだまだご着用頂けるかと思います。
使用用途・年代を考慮しても綺麗なコンディションに部類される1着かと。
英国の老舗ブランドでもある "Belstaff"その中でもトライアルマスターは、是非とも1着は持っておきたい定番アイテムと言えるモデルとなります。
現行から展開されているアイテムとは異なる、一時代を築いたヴィンテージベルスタッフの只者ならぬ当時の雰囲気を、是非とも身に纏って頂きたいです。
状態の良いヴィンテージベルスタッフは当ショップでも入荷が少なく、市場的に見ても希少かと思いますので、お探しの方がいましたらこの機会をお見逃しなく。