推定70年代頃、Levi's(リーバイス)製『スエードレザー トラッカージャケット』になります。
Levi’s(リーバイス)とは、1853年にドイツ系移民の "Levi Strauss(リーヴァイ・ストラウス)" がカリフォルニア・サンフランシスコで開いた卸売乾物商(ドライグッズ)を起点に、"ジーンズ" という服の発明そのものを世界へ定着させた、デニムのパイオニアブランド。
荒野の労働と都市の文化、その両方の現場で磨かれた『生活の為の服』を、今日まで更新し続けています。
金鉱の熱に沸いた当時、求められたのは見栄ではなく "壊れない道具" でした。
リーバイスはワーカーの声に耳を傾け、当初はテント地にも使われる様なダック(キャンバス)の様な堅牢な生地でワークパンツを形にし、そこからよりしなやかなデニムへと主役を移していきます。
つまりリーバイスの原点は、流行ではなく『必要』によって駆動したプロダクトだったという事です。
そして1873年、ネバダの仕立て職人 "Jacob Davis(ジェイコブ・デイヴィス)" とリーバイ・ストラウス社は、負荷のかかる箇所を金属リベットで補強する "ウエスト・オーバーオール(waist overalls)" の特許を取得。
ポケット口や股のストレスポイントに合理的な補強を施したこの発明が、後に "ブルージーンズ" と呼ばれる服の原型になります。
さらに1890年、プロダクトの管理番号(ロットナンバー)として『501』が採用され、以後 "基準" として語られる型が生まれました。
特許が切れ、競合が増える時代に入っても、リーバイスは "本家" としての説得力を、設計と品質の積み重ねで守り抜いていきます。
20世紀に入ると、ジーンズは労働服の枠を越え、文化の側へ踏み込みます。
特に1950年代、映画の中でデニムが "若さ" や "反骨" の記号として輝いた事は決定的で、"Marlon Brando(マーロン・ブランド)" や "James Dean(ジェームズ・ディーン)" が体現したスタイルは、ジーンズを新しい世代の制服へ押し上げました。
ワークウェアがファッションへ昇格したのではなく、日常の道具が、そのまま格好良さになった。
この転換を最も象徴するのがリーバイスです。
リーバイスとは、荒い現場に耐える為に生まれ、都市の表現として愛され、そして今もなお "デニムの基準値" として君臨するブランド。
そんなリーバイスより、所謂 "3rd Type = 557(3rd)" と同様の設計思想で組み上げられた、スエードトラッカージャケットのご紹介です。
デニムの3rdでお馴染みの、フロント両胸のフラップポケット・前身頃の縦プリーツ・胸元を横切る切り替えヨーク。
この『面を区切って立体を作る』トラッカー特有の線が、起毛感のあるスウェードでより陰影を強め、ワーク由来の無骨さに "色気" を足してくれるバランスです。
フロントは、刻印入りのメタルボタンで統一され、レザーの質感に負けない説得力を確保。
ポケット部のピスネーム(茶色)は "スモール e"。
主張しすぎないブラウンタブが、スウェードのカラーと溶け合い、デニムの赤タブとはまた違う "渋い控えめさ" を演出してくれます。
そしてこの型の肝は、短丈 × ボックス気味の身頃が生む、トラッカーらしい収まりの良さ。
背面のヨーク切り替えから腰にかけて入るライン、裾両サイドのアジャスタータブ(スナップボタンで絞れる仕様)によって、ただ羽織るだけでシルエットに "締まり" が出ます。
袖口カフスもボタン留めで、手元に溜めても、きっちり合わせても絵になる設計となっています。
シンプルイズベスト。この様なジャケットは1着持っておくと必ず重宝します。
サラッと羽織るだけでも雰囲気抜群ですので、是非シンプルに着こなして頂きたいです。
当個体は "スエードレザー" を採用。
きめ細かな起毛が全面に立ち、マットで乾いた質感が魅力。
レザーならではの重厚感を保ちながら、スウェード特有の柔らかなタッチで、どこか上品なムードを纏います。
着用を重ねる程に毛並みが寝て、擦れやアタリが濃淡として浮かび、ヴィンテージらしい "育ち" を楽しめる素材です。
カラーは、抜け感のあるブラウンベージュカラー。
ベージュの軽さとブラウンの渋み、その境界を曖昧にした中庸の色気。
砂を含んだ土肌の様なカラーは、乾いたニュアンスの中に温度を宿し、コーディネートに自然な抜けと奥行きを与えます。
起毛が光を飲み込み、毛並みの向きや見る角度でトーンが揺らぐ為、霞む明るさと沈む深さが交差し、静かなグラデーションが立ち上がります。
サイズ表記は確認出来ませんが、日本サイズで "M ~ L" 程度に該当するかと思います。
実寸値を見ても日本人体型に合うゴールデンサイズかと思いますので、幅広い体型の方にご着用頂けるかと思います。
汚れ・擦れ・破れ等の使用感はありますが、着用に問題のある大きなダメージ見受けられませんので、まだまだご着用頂けるかと思います。
所々生地が弱っている箇所がありますので、慎重に取り扱って頂けると永く愛用して頂けるかと。
デニムという "基準" を世界に定着させ、労働の現場から都市のカルチャーまでを更新し続けてきたブランド "Levi’s"
所謂3rdタイプの設計思想を踏襲しつつ、起毛したスエードが陰影と色気を上乗せする逸品の入荷機会はごく僅かかと。
ワードローブとしては勿論、コレクションアイテムとしても申し分ない1着。
当ショップでも入荷の少ないアイテムとなりますので、お探しの方がいましたらこの機会をお見逃しなく。