1988年支給、チェコスロヴァキア人民空軍『ヘリコプタークルー パイロットジャケット(モディファイ仕様)』になります。
現在はチェコ共和国とスロヴァキア共和国とに分裂して別々の国となっていますが、1918年〜1992年まではチェコスロヴァキア社会主義共和国(1918年〜1960年まではチェコスロヴァキア共和国)として存在していました。
そんなチェコスロヴァキア共和国時代に、チェコスロヴァキア人民空軍(CSLL)のパイロットクルーにて着用されていたと思われるのが当個体となります。
CSLL = "Československé Lidové Letectvo" の略称。
当個体では、元来ボア襟が装着されていたオリジナル仕様から、"敢えて" それを廃した "モディファイ個体" として再構築された1着となります。
この個体の持つ最大の魅力は、ミルスペックに忠実でありながら、ファッション的視点から見ても非常に完成度の高いディテール群にあります。
胸部には、チェコスロヴァキア軍特有のアシンメトリー構造が際立つ、縦長のスリットポケット・斜めに傾いたジップポケットを配置。
そのどれもが戦闘機・ヘリの操縦時に干渉しにくい構造を意識しており、用途と目的が明確な "デザインに意味がある" 作り込みが見て取れます。
両裾部にはジップ仕様のハンドウォーマーポケットが配されており、これらには "WICO" 製のオリジナルジップスライダーが採用されています。
袖先には、2段階調節が可能なベルクロタブ + ジップの二重構造を採用。
グローブ着用を想定した開閉設計が施され、ファッションアイテムとしてはもちろん、ミリタリーウェアとしての実用性も存分に体現しています。
腰回りにも同様のベルクロタブが設けられており、ウエストラインの調整や風の侵入を防ぐ役割を担っています。
フロントジッパーはオフセンターに配置されており、寒冷地での体温保持に優れた構造。
内側にはキルティングライナーが仕込まれ、当時の寒冷地対応が想定されていた事を物語っています。
前合わせは、ジップファスナーによるジップアップ式。
当個体ではファスナー交換が施されており、ジップスライダーには、"YKK" 社製ジップが採用されています。
内側には、サイズ表記や支給年の記載がされたスタンプも確認が出来ます。
スタンプ内に "1988" の文字が確認できる為、当個体は1988年に正式に支給されていた物と思われます。
当個体では、"コットン100%" の高密度サテン織生地を採用。
きめ細やかでしっとりとした質感に、ほんのりと光沢を帯びた滑らかな表面。
サテン織ならではの上品な表情が、カジュアルなアイテムにさりげない格調を与えています。
カラーは、落ち着きのあるブルーグレーカラー。
知性と穏やかさを兼ね備えたブルーグレーは、ブルーの清涼感とグレーの落ち着きを絶妙なバランスで融合した、洗練されたニュートラルカラー。
どんなスタイルにも馴染みやすく、それでいて一味違う雰囲気を纏える、上級者好みの色味と言えるでしょう。
アーバンミリタリーの要素を感じさせるディテールとの相性も抜群で、無骨さの中にも知的な空気感が漂います。
サイズ表記は "176 / 104"
日本サイズですと "XL" 程度に該当するかと思います。
実寸値を見ても大きなサイズ感となりますので、大きな体型の方でも問題なくご着用頂けるかと思います。
ミリタリーアイテムらしく、大きめのサイズ感でご着用頂いても格好良い1着かと。
褪色・汚れ・擦れ等の使用感はありますが、着用に問題のある大きなダメージ見受けられませんので、まだまだご着用頂けるかと思います。
個人的にも初見な、チェコスロヴァキア人民空軍の、珍品であり逸品の当個体。
大変マニアックな1着ですが、古い年代のチェコスロヴァキア軍は、抑えておいて間違いないかと個人的には思います。
ワードローブとしては勿論、コレクションアイテム・デザインソースとしても申し分ない1着。
国内外問わず滅多にお目にかかれない逸品かと思いますので、探されていた方や珍しいアイテムが好きな方はこの機会をお見逃しなく。