推定80年代頃、CecilGee(セシル・ジー)製『リネンストライプジャケット』になります。
CecilGee(セシル・ジー)とは、1929年に創業者である "Cecil Gee(セシル・ジー)" 氏によって、イギリス・ロンドンにて創設された、英国紳士服の伝統とサブカルチャーを融合させた先鋭的メンズウェアブランド。
創業以来、"街を歩くスタイル革命" というビジョンのもと、1950年代から60年代にかけては、ロンドンの若者たちに向けた洗練されたスーツスタイルを打ち出し、後のモッズ・カルチャーを象徴するブランドとして世界にその名を刻みました。
セシル・ジー氏は元々、軍服や実用服を扱う仕立て屋としてキャリアをスタートさせ、第二次世界大戦後にはソーホーの中心にショップを構え、時代の空気を読み取る感性で若者文化にフォーカス。
伝統的テーラリングをベースにしつつも、トレンドと遊び心を効かせた提案は、"クラシックとストリートの交差点" と称されました。
その最大の魅力は、"ブリティッシュ・テーラリングの粋" と "都市文化の感度" を同時に表現した点にあります。
タイトなスーツ、短め丈のジャケット、鮮やかなシャツといったデザインは、音楽と共鳴するスタイルとして、ジャズ・ロックンロール、そしてモッズたちの "制服" となっていきました。
更にセシル・ジーは、後年にMoss Bros社の傘下として多店舗展開を行い、ロンドンを中心に広くそのスタイルを浸透させる一方で、モード史における "ストリートを着る紳士" の原点とも言える立ち位置を確立。
Paul SmithやBen Shermanらに続く、現代ブリティッシュブランドのルーツとして語り継がれています。
セシル・ジーのスタイルは、今もヴィンテージマーケットやファッションアーカイブで息づき、"文化としてのファッション" の一章を彩る存在です。
そんなセシル・ジーより、上質なリネン素材によって仕立てられたジャケットのご紹介です。
一見すると肩肘張らない佇まいながら、随所に光るディテールワークが印象を引き締める一着。
襟元には、テーラードライクなラペルカラーを採用。
シャツの様な軽さと、ジャケットの持つ品格を両立した絶妙なバランス設計は、首元の表情をぐっと豊かに見せてくれます。
腰回りには、直線と曲線を組み合わせたパッチポケットを配置。
マッチングしたストライプの柄合わせと、角を丸めた柔らかなライン取りが、さりげなくも高い完成度を物語ります。
前合わせに並ぶボタンは、べっ甲調のマーブルデザイン。
単なる留め具としての役割を超え、自然な揺らぎのある艶が生地の表情に深みを与え、クラシカルな装いに小さな余韻を残します。
全体のストライプパターンは、ライン幅・間隔共に変化をつけた2配色構成。
ただの縦縞に収まらない奥行きとリズムを持ち、視線を自然に縦方向へと誘導。
加えて背面まで抜かりなく柄が整っており、360度どこから見ても整ったシルエットが保たれます。
控えめながらも、見れば見る程 "手の入れ方" が伝わる一着。
無言の美意識が、静かに装いへと溶け込むヴィンテージジャケットです。
当個体は、天然素材である "リネン" を贅沢に使用。
太番手の糸で織り上げられたざっくりとした生地感は、手に触れた瞬間に素材の個性が伝わる仕上がりに。
ドライタッチな風合いとリネン特有の通気性により、春夏シーズンを中心に快適な着心地を実現。
また、着用と洗いを繰り返す事で繊維が柔らかくほぐれ、あなただけの "表情" へと育っていく、経年の美しさも大きな魅力です。
カラーは、グレーベージュをベースに、ベージュとブラックの細幅ストライプが縦に走る3色構成。
ナチュラルでありながらも視覚的に奥行きを感じさせ、リネン素材の凹凸と相まって陰影を生み出します。
控えめなカラーパレットでありながら、静かに個性を放つ配色バランスは、正に "雰囲気で魅せる" 為の選択と言えるでしょう。
サイズ表記は確認出来ませんが、日本サイズで "M" 程度に該当するかと思います。
実寸値を見ても日本人体型に合うゴールデンサイズかと思いますので、幅広い体型の方にご着用頂けるかと思います。
経年による多少の使用感は見られるものの、目立った汚れ・傷等も見受けられないミントコンディションの1着となります。
勿論、着用に問題のある大きなダメージもありませんので、まだまだご着用可能かと思います。
1929年創業、英国紳士服とサブカルチャーの融合を体現した "CecilGee"。
その歴史あるブランドから届いた当個体は、上質なリネン素材と繊細なストライプパターンが調和した、気品と軽やかさを兼ね備えた一着と言えます。
ラペルやポケットの仕立て、マーブルボタンの艶感に至るまで、随所に光るテーラリングの妙。
控えめながら確かな完成度を持つこの個体は、現行では味わえない "空気感" を宿しています。
時代と文化を纏った服を探す方へ。是非この機会をお見逃しなく。