推定80年代頃、GUIDO PELLEGRINI(グイド・ペレグリーニ)製『コットンポリウレタン フライトタイプジャケット』になります。
GUIDO PELLEGRINI(グイド・ペレグリーニ)とは、1970年代半ば、イタリアのレッジョ・エミリア / パルマ / ボローニャ周辺で芽吹いた "現代スポーツウェア(=洗練された都市のカジュアル)" の潮流の中で、その名が語られる人物。
所謂 "Sportswear della Via Emilia(ヴィア・エミリアのスポーツウェア)" と呼ばれるムーブメントを形成したクリエイター群の一角として、"Massimo Osti(マッシモ・オスティ)" や "Olmes Carretti(オルメス・カレッティ)" らと並び、特に "パルマ勢" の代表格として挙げられています。
この流れが面白いのは、スポーツウェアが "運動着" や "作業着" の立ち位置から、都会的で、洗練され、ラグジュアリーにすら触れる日常着へと変換された点にあります。
彼らが作ろうとしたのは、単に楽な服ではなく、都市生活のテンポに耐える服。
言い換えれば、『街で成立する実用』を、デザインとして成立させた人々だったと言えるでしょう。
当ブランドを語る上で外せないのが、のちに世界的ブランドとなる "STONE ISLAND" の "ごく初期" にまつわる言及。
資料内では、ストーンアイランドの着想がペレグリーニにあった事、そしてサービスエリアで目にした "トラックの幌(ナイロンの重い生地)" から発想が膨らみ、バイカラーのアウターへと結実していくエピソードが語られています。
正に、イタリア的プロダクト思考の真骨頂。
素材の出自が "現場" であるほど、服は強く、説得力を持つのです。
要するにグイド・ペレグリーニとは、所謂 "デザイナー" という言葉だけでは収まりきらない存在。
街で必要とされる機能・素材の必然・そして英国調の気配を纏わせた品の良さ。
それらをスポーツウェアという器に、都市の服として落とし込む事に長けたキーパーソンです。
そんなグイド・ペレグリーニより、ミリタリーフライトジャケットをベースにしながら、イタリアらしい "艶" と "抜け" で再構築したブルゾンのご紹介です。
所謂ボマージャケットの文脈ですが、ただの踏襲ではなく、ディテールの積み方でしっかり差が出る一着。
まず目を奪うのが、冬季フライトジャケットを彷彿とさせるボア襟。
毛足の詰まったブラウンボアが顔周りにボリュームを作り、ダークブラウンのボディとのコントラストで "重心が上がる" のが最大のポイント。
襟を立てての着用を想定したチンストラップ付きなので、閉じた時は首元がぐっと締まり、スタイリングに緊張感を。
胸元には、スナップボタン留めのタブが左右に付属。
ミリタリー由来で言えばケーブル等を通す用途が想定されるディテールですが、現代の着こなしでは "飾り過ぎないギミック" として効いてくれます。
ポケット配置もフライトジャケットらしい実用性。
ハンドウォーマーポケットはスナップボタン留めで、ラフに手を突っ込める一方、中身が落ちにくい仕様に。
更に左袖部には、フライトジャケット特有のペンポケットを配置。
ミリタリーの文脈をしっかり押さえつつ、街着としても "らしさ" が出るディテールです。
前合わせはジップアップ式で、ジップスライダーには "riri" 社製ジップを採用。
金属の密度感と動きの滑らかさが、全体のムードをワンランク引き上げています。
こういう "触れる部分の質" が、着用時の満足度に直結したりしますよね。
内側には、"GUIDO PELLEGRINI" のブランドラベルが付属。
タグ内に "MADE IN ITALY" の表記がある点からも、当個体は本国イタリアにて生産された1着だと読み取れます。
シルエットは、袖先・裾部がリブニット仕様。
ここでしっかり溜まりが生まれる為、バルーンシルエットが自然に完成する仕様に。
小柄な体型の方でも袖がだらしなくならず、リブで止まって "丸さ" と "抜け" だけが残る着用感。
加えてアームホールもたっぷりと設けられているので、冬場に中へ着込む想定でもストレスが少なく、インナー次第でシーズンを跨いで活躍してくれるでしょう。
当個体は、コットンにポリウレタンコーティングを施したファブリックを採用。
目の詰まったコットンベースならではの "芯" がありつつ、表面はコーティング由来の艶と密度感が乗る為、レザーライクなムードで着用出来る質感に。
ハードに見せながらも布帛特有の軽さと馴染みがあり、着込む程にアタリやシワが立体的に浮かび上がる、育てがいのある素材感となっています。
更に裏地は、ナイロンを採用。
滑りの良さで袖通しがスムーズなだけでなく、動いた時に生まれるドレープが自然に "抜け" を作り、重たく見えがちなフライト系を都会的に整えてくれます。
カラーは、深みのあるダークブラウンカラー。
黒に寄り過ぎないブラウンの奥行きに、コーティングの光沢が加わる事で、角度によって陰影が変わる "濡れた様な艶" が最大の魅力です。
擦れや褪色で現れる斑感が、単色のはずなのに表情を増やし、のっぺりしない色気へと昇華されています。
無骨なフライト由来の空気感に、このダークブラウンの渋さを掛け合わせる事で、ミリタリーの強さとイタリアらしい品が同居するバランスに。
更にボア襟のブラウン、裏地のグリーンが差し色として効き、ダークトーン主体でも "重くなり過ぎない" 配色設計になっています。
サイズ表記は "42"
日本サイズで "XL" 程度に該当するかと思います。
実寸値を見ても大きなサイズ感となりますので、大きな体型の方でも問題なくご着用頂けるかと思います。
褪色・生地特有のアタリ・汚れ・擦れ等の使用感はありますが、着用に問題のある大きなダメージは見受けられませんので、まだまだご着用頂けるかと。
イタリア北部『ヴィア・エミリア』の都市型スポーツウェア潮流を象徴する一人 "GUIDO PELLEGRINI"
機能を "街の品" へ昇華させたその審美眼は、後のストーンアイランド初期を語る上でも欠かせない存在です。
ポリウレタンコーティングによるレザーライクな艶と密度感。
無骨さと色気が同居する一着を探していた方へ。お見逃しなく。