推定80年代頃、CHEVIGNON(シェビニオン)製『スイッチングデザイン ショールカラージャケット』になります。
CHEVIGNON(シェビニオン)とは、1979年にフランス・パリで誕生した、メンズカジュアルの名門ブランド。
物語の起点は『会社』ではなく、たった1着のジャケットにあります。
1950年代、米国の航空パイロットが着用していた "フライトジャケット"
その『美しく、快適で、タフ』な魅力に惹かれたデザイナー "Guy Azoulay(ギー・アズレイ)" が、アメリカへの憧れとヴィンテージへの審美眼を武器に、USミリタリーの名作を蒐集し、再解釈する事で最初のコレクションを作り上げました。
更に、その象徴となったジャケットには、フランス人の名を冠した "Charles Chevignon" のストーリーが据えられ、ブランド名そのものが "ジャケットの伝説" として成立しているのがシェビニオンらしさです。
誕生当初から一貫しているのは、アメリカ由来のヘリテージを、フランス流の端正さで整える手つき。
無骨さを前面に出し切るのではなく、都会的で、エレガントで、どこか冒険心を孕んだワードローブへと昇華する。
そのバランス感覚こそが、シェビニオンが "ただのアメカジ" に収まらない理由と言えるでしょう。
そして1984年、ブランドの顔として語られることになる『TOG’s UNLIMITED』が誕生。
自由・大地・アウトドアスポーツを想起させる "マガモ(mallard duck)" の刺繍は、ひと目でシェビニオンと分かる強いアイコンとなり、以降の世界観を決定づけました。
2000年代以降もブランドは動き続け、2007年にはパリのフラッグシップをオープン。
近年では、2020年に "エコ・レスポンシブル" へ舵を切り、原点回帰として80年代の初期衝動と、ギー・アズレイの美学を再び参照しながら、アーカイヴを再解釈・再発行していく姿勢を明確にしています。
CHEVIGNONを一言で括るなら、『アメリカの機能美を、パリの品格で着られる形に直した服』。
フライト・ミリタリー・アウトドアといった硬派な背景を持ちながら、最終的な着地はあくまで "都会の男のワードローブ" にある。
ラフに羽織っても様になり、作り込みを語る程に奥行きが増す。
そんなフランスの銘ブランドである "CHEVIGNON" より、生地遣い・色遣いが目を惹くショールカラージャケットのご紹介です。
形としては素朴なジャケットの面構え。
ですが近づく程に、素材の切り替え・配色・パーツ選びまで、他ブランドではまず出てこない "シェビニオンらしさ" が滲み出る一着です。
襟元は、ムートン襟仕様のショールカラー。
首周りにボリュームが出る分、顔周りが締まり、スタイリング全体がぐっと上品に見えます。
シャツやスウェットの上からでも "ラフ過ぎない" 印象にしてくれるので、冬場は勿論、軽装になる季節でも主役として成立してくれます。
更に首元には、オリーブカラーのポリエステル切り替えを配置。
ムートン × レザーのクラシックさに、ミリタリーライクなニュアンスを一滴足しており、甘さに寄らずに締まる。
この "渋い差し色" があるだけで、スタイリングの完成度が変わります。
肩〜胸にかけては、ライトブラウンレザーの大きな切り替えし。
ヨークの様にデザインする事で、視線が上がり、体型を立体的に見せてくれます。
背面も同様にレザーで切り替えられ、中央にオリーブのパネルが入る構成。
前後どこから見ても抜かりのない、素晴らしい切り替えデザインです。
裾部には、フラップポケットを左右に配置。
ポケット角にはレザー補強が施され、更にハトメの意匠まで入る本気仕様。
機能服由来の "合理性" を、デザインとして成立させているのが良い所で、エクリュの面積が大きい分、こういう補強ディテールが強いアクセントになります。
前合わせは、ボタン留めによる開閉式を採用。
ここも抜け目なく、ボタンまでレザーを使用した拘りです。
首元内側には、ブランドネームである "CHEVIGNON" の記載がされた、ブランドタグが付属。
品質タグ内に "MADE IN FRANCE" の表記が見られる点から、当個体は本国フランスにて生産された1着となります。
当個体は、エクリュカラーの "コットン地" をボディに据え、ライトブラウンの "レザー" 、首元のオリーブ "ポリエステル" で切り替えたコンビネーションを採用。
ボディは滑らかなコットンツイルの質感で、素朴でラフな空気を纏いながらも、生地面が綺麗なのでどこか品の良さも感じさせます。
更にレザーの艶やムートンの起毛感が重なる事で、着込む程に素材同士の "馴染み" が深まり、経年変化の面白さも期待出来ます。
カラーは、"エクリュ × ライトブラウン × オリーブ" から成る、マルチカラー仕様。
ただの生成り、ただのブラウンでは片付けられない、この配色の奥行きには天晴れ。
僅かに黄味を含んだエクリュの柔らかさに、ライトブラウンレザーの艶と温度感が重なり、クラシックなムードをしっかり演出してくれます。
そこへ首元のオリーブが "渋い差し色" として効く事で、甘さに寄らずに引き締まる。
素材の表情もそれぞれ異なる為、光の当たり方で陰影が生まれ、同じ一着でも見え方が変わる立体的なコントラストが魅力です。
質の高さとデザイン性を兼ね備えた、流行り廃りに左右されない、現代のファッションにマッチするアイテムかと思います。
ファッションに対する深い理解と審美眼を持つ方にお勧めします。
サイズ表記は "XL"
日本サイズで "XXL" 程度に該当するかと思います。
実寸値を見ても大きなサイズ感となりますので、大きな体型の方でも問題なくご着用頂けるかと思います。
汚れ・傷・レザー部の僅かな剥がれ等の使用感はありますが、着用に問題のある大きなダメージは見受けられませんので、まだまだご着用可能かと思います。
アメリカ由来のヘリテージを、パリの端正さで "都会の男のワードローブ" へ落とし込んできたブランド "CHEVIGNON"。
ミリタリーの機能美を、粗野に振り切らず上品に着地させるバランス感覚こそ、このブランドの真骨頂と言えるでしょう。
この配色、この素材のバランスで成立する個体はシェビニオンだけ。
ラフに羽織るだけで装いが整う、主役級のアーカイヴ。
刺さる方は、この機会をお見逃しなく。