1988AW、C.P.Company(シーピーカンパニー)製『ブラックレザーブルゾン』になります。
C.P. Company(シーピー・カンパニー)とは、1971年にイタリア・ボローニャにて、グラフィックデザイナー出身の "Massimo Osti(マッシモ・オスティ)" 氏によって創設された、機能性と革新性を兼ね備えたアーバンスポーツウェアブランド。
創設当初は『Chester Perry(チェスター・ペリー)』という名称で活動していましたが、1978年に名称を現在の『C.P. Company』へと変更。
ブランド名に込められた "C.P." とは、 "Color of Passion(情熱の色)" を意味し、その名の通り、深い色彩表現と機能性を融合させたプロダクトで、ヨーロッパ中のファッション愛好家や都市生活者の心を掴んできました。
このブランドの最大の魅力は、"テーラー的構築美" と "素材工学の最先端" を見事に融合させたクラフツマンシップにあります。
一言で言えば『機能性を纏うためのデザイン服』—— 正に "着るギア" とも言える存在です。
C.P. Companyを語る上で欠かせないのが、"Garment Dye(ガーメントダイ)" という世界初の革新的染色技術。
通常、服は染められた生地で縫製されますが、C.P. Companyは『完成した製品を丸ごと染める』という全く新しいアプローチを導入。
この技法により、衣服全体に奥行きある色ムラや、トーン・オン・トーンの繊細な表情が生まれ、唯一無二のヴィンテージ感と“風格ある色彩”を実現しました。
この染色技術は、長年の研究開発によって "60,000色" に及ぶ色彩表現を可能とし、他ブランドを圧倒するC.P. Companyの代名詞となります。
更に特筆すべきは、"Double Dye in a Single Bath(二重染色)" という独自手法。
これは、異なる組成の素材を一度に染色し、それぞれの組成に異なる化学的アプローチを施す事で、1着の中に複数の色調を重ね、よりドラマティックな "色の陰影" を生み出すもの。
この染色革命によって、マッシモ・オスティは "素材と色彩の錬金術師" として世界中から注目を集める存在となりました。
アイコニックな "Goggle Jacket(ゴーグルジャケット)" や、視認性・機能性に優れた複数ポケットの採用など、ミリタリーやワークウェアに着想を得たディテールは、実用性だけでなく "服の未来像" を感じさせる独創性に満ちています。
更にオスティ氏は、"ICE Jacket(温度で色が変化するジャケット)" や、"Rubber Flax" ・"Reflective Jacket" といった革新的素材を次々と開発。
デザインとテクノロジーを融合させた "機能美" の探求に終わりはなく、C.P. Companyの服は常に "着る実験場" として進化し続けています。
このような前衛的精神は、C.P. Companyだけに留まらず、マッシモ・オスティが手掛けた他ブランド、『STONE ISLAND(ストーンアイランド)』・『Boneville(ボネヴィル)』・『Left Hand(レフトハンド)』などにも受け継がれ、彼の思想がイタリアンスポーツウェアの枠を超えて世界に広がった事を示しています。
こうした姿勢が評価され、C.P. Companyはロンドン・パリ・東京といった大都市で確固たる地位を築き、ファッションとテクノロジーの交差点に立つブランドとして不動の人気を誇ります。
C.P. Companyとは、"色彩と機能の探求者" であり、"服というプロダクト" に新たな文脈を与えた異端のクラフツマン。
彼らが創り出すアイテムは、ただの衣類ではありません。
着る度に "色が語る物語" を楽しめ、機能美と哲学が込められたその一着一着は、正に都市生活者のための "知的な鎧" とも言える存在と言えるでしょう。
そんなシーピー・カンパニーより、マッシモ・オスティ本人期の空気を濃く纏った、レザーブルゾンのご紹介です。
ベースはハリントンジャケットを彷彿とさせる端正なバランスで、特に背面に走る弧を描くヨークデザインが印象的。
英国の銘品 "BARACUTA G-9" 等のハリントンジャケットでもお馴染みの定番ディテールを、C.P.らしく素材をオールレザーへ落とし込み、より無骨で立体的な表情へ昇華しています。
意外とこの手のハリントン型 × オールレザーは、ブランド問わず球数が少なく、探している方が多いのも頷ける存在感。
襟元は2連ボタンによる留め仕様で、閉じるとスタンドカラーの様に首元が立ち上がる設計。
レザーの重厚感に対して、首まわりの印象をシャープに整えてくれるので、インナーがカットソーでも襟が "締まる"。
開ければハリントンらしい抜け感が出て、閉じればモード寄りに寄せられる。
スタイリングの振り幅が広い襟型と言えますね。
ポケットワークも抜かりなく、ウエスト部には背面ヨークと呼応する様に弧を描くカッティングが施された、ボタン留めのハンドウォーマーポケットを配置。
この曲線があるだけで直線的な男臭さに偏らず、どこか工業的でデザインプロダクト的なムードが生まれるのがC.P.らしいポイント。
身頃はラグランスリーブで肩の馴染みが良く、レザー特有の硬さを視覚的にも着用感的にも緩和。
加えて袖先・裾先はリブニット仕様となっており、丸みのあるシルエットを作りつつ、風の侵入を抑えて実用面も強い。
クラシックな "ブルゾンの文法" を守りながら、素材がレザーになる事で一段深い迫力が出ています。
前合わせはジップファスナーによるジップアップ仕様で着脱もスマートですが、オリジナルのジップスライダーは欠損している為、その点はコンディションとしてご理解下さい。
当個体は、しっとりとした質感の "ブラックレザー" を採用。
きめ細かなシボ感と適度なハリを併せ持ち、重厚でいてどこか品のある表情。
着用を重ねる程に皺が刻まれ、艶とムラが増していく。
レザーならではの味わい深い経年変化も期待出来ます。
カラーは、深みのあるブラックカラー。
光を拾う場所と沈む場所で陰影が生まれ、鈍い艶が立ち上がる度に表情が変わる "スモーキーブラック" の様なブラックカラーは、静けさと迫力を併せ持った独自の存在感を放ちます。
更に裏地には、テラコッタを思わせる起毛ライニング・襟裏にはヘリンボーン調のグレーオリーブを忍ばせ、ブラックの冷たさに温度を足す "多層的な配色" が魅力。
クールなレザーの面構えに、内側のカラーが差し込む事で、硬派さと色気が同居する独特のムードに仕上がっています。
サイズ表記は "50"
日本サイズで "L ~ XL" 程度に該当するかと思います。
実寸値を見ても大きなサイズ感となりますので、大きな体型の方でも問題なくご着用頂けるかと思います。
褪色・ほつれ・リペア跡・タグ欠損・ジップスライダー欠損等の使用感はありますが、着用に問題のある大きなダメージは見受けられませんので、まだまだご着用可能かと思います。
近年、初期のC.P. Companyは再評価が進み、相場も上昇傾向にあります。
とりわけマッシモ・オスティ本人が手掛けた黎明期のピースは、素材使いと設計思想の密度が別格で、他のブランドでは得られない唯一無二の存在と言えるでしょう。
ハリントンの端正な文法をオールレザーで再構築した別格の一着と呼べる存在。
無骨さを "プロダクト" へ昇華するC.P.らしさが凝縮されています。
本人期の80'sアーカイヴで、"ハリントン型 × オールレザー" の条件が揃う個体は市場でも希少です。
静けさと迫力を一着で手に入れたい方へ。この機会をお見逃しなく。