推定90年代頃、BALLANTYNE(バランタイン)製『ピュアカシミヤ アーガイルパターン クルーネックセーター』になります。
スペシャルアイテムの入荷です。
BALLANTYNE(バランタイン)とは、1650年にスコットランド・ガラシールズで生まれた織工 "William Ballantyne(ウィリアム・バランタイン)" の血脈に端を発し、200年以上にわたる毛織産業の蓄積を背景に持つ、"ラグジュアリー・カシミヤニット" の名門ブランド。
ニットウェアブランドとしての実質的な創業は1921年。
スコティッシュ・ボーダーズ最古の毛織工場『ケアリー・ミルズ』を拠点に、カシミヤニットの本格生産へと舵を切りました。
最大の武器は、色糸で絵柄を編地に描き込む高度な技法『インターシャ』。
特に1950年代に発展させたダイアモンド・インターシャ(アーガイル柄)はバランタインの代名詞となり、グレース・ケリー、スティーブ・マックイーン、ジャクリーン・ケネディら世界のスタイルアイコンを魅了しました。
1967年にはエリザベス女王からクイーンズ・アワードを授与され、その品質はエルメスやシャネルといったパリの最高峰メゾンがニットウェアの生産を委ねるほどの評価を獲得。
使用するカシミヤは5段階中最上位の『特級』のみという徹底ぶりで、独自の『ベア・フィニッシュ』仕上げが生む、芯のある弾力と上品な光沢は他のカシミヤブランドとは一線を画します。
流行のロゴや分かりやすい主張ではなく、触れた瞬間に分かる上質で勝負したい方へ。
バランタインという選択は、ワードローブを静かに格上げしてくれるはずです。
そんなカシミヤニットの最高峰 "BALLANTYNE" より、溜息が漏れるほど美しいマルチカラーのアーガイルパターンニットのご紹介です。
しかも、ただのバランタインではありません。
当個体はロンドン・ナイツブリッジに本拠を構える、言わずと知れた世界最高峰の百貨店 "Harrods(ハロッズ)" の為に、バランタインが仕立て上げた別注品。
ハロッズとは、1849年の創業以来、英国王室御用達の称号を賜り、170年以上にわたってラグジュアリーリテールの頂点に君臨し続ける百貨店です。
その選定眼は世界一厳格とも称され、ハロッズの棚に並ぶという事は、即ちそのブランドの品質が最高水準にある事の証明に他なりません。
タグに刻まれた "Harrods KNIGHTSBRIDGE BY BALLANTYNE" の文字、そして "100% Pure Cashmere / MADE IN SCOTLAND" の表記。
この一行に、全てが集約されています。
古き良きスコットランド生産時代のバランタイン。
これがまた、重要なポイントなんです。
後年になるとバランタインの生産拠点はイタリアへと移行していく訳ですが、当個体はまだスコットランドの工場で一着一着丁寧に編み上げられていた時代のもの。
スコティッシュ・ボーダーズの冷涼で湿潤な空気の中で培われた、あの独特の編地の密度と風合いは、イタリア生産の個体とはやはり一味違う。
触れた瞬間に分かるんです、これは。
更に注目すべきは、クルーネックタイプであるという点。
実際、市場に出回る個体の多くはVネック仕様であり、クルーネックタイプは圧倒的に数が少ない。
その上でマルチカラーのアーガイル柄となると、これはもう相当な希少個体と言わざるを得ません。
お目にかかれないのも、そのはず。
ハロッズ別注だからこそ実現した、特別な一着なのですから。
バランタインの代名詞であるダイアモンド・インターシャの技法が、前身頃一面に惜しみなく施された当個体。
一色一色が独立した糸で編み込まれるインターシャは、ジャカード編みの様に裏で糸が渡る事がない為、各色の発色が極めて鮮やかで、且つ編地が厚くなり過ぎないという利点があります。
写真をよく見て頂くと、各ダイアモンドの境界線に沿って繊細なステッチワークが走っているのが確認出来るかと思います。
これこそがインターシャ特有の痕跡であり、機械任せではない手仕事の証です。
そして、この一着が持つ最大の "ギャップ" に触れない訳にはいきません。
前面は、6色ものカラーが織りなす華やかなアーガイルパターンが、視線を釘付けにする圧巻の存在感。
ところが背面に回ると、一転してダークネイビー一色のミニマルな表情に。
ショルダー部にのみ、前面のアーガイルパターンが僅かに覗いており、この "チラリズム" が何とも粋な演出として効いています。
前から見れば華やかに、後ろから見ればシンプルに。
このギャップにやられてしまう方、きっと多いのではないでしょうか。
素材には "ピュアカシミヤ100%" を採用。
バランタインが使用するカシミヤは、前述の通り5段階中最上位の『特級』のみ。
繊維の細さ、長さ、柔らかさ、全てにおいて最高品質の原毛だけを選び抜き、独自の『ベア・フィニッシュ』仕上げによって、芯のある弾力と上品な光沢を兼ね備えた編地へと昇華させています。
袖口やリブ部分の写真からもお分かり頂けるかと思いますが、ピリングも殆ど見られず、カシミヤ本来の滑らかな質感がしっかりと保たれています。
カラーは "ダークネイビー × シナモン × バーガンディ × ゴールデンマスタード × ディープティール × ラベンダー" から成るマルチカラー仕様。
一見すると派手に映るかもしれませんが、実際に見てみると意外なほど落ち着いている。
その秘密は、ベースとなるダークネイビーの深み、そして各色のトーンが絶妙にコントロールされている点にあります。
バーガンディの深い赤、くすみのあるラベンダー、シックなシナモン。
いずれもビビッドではなく、秋冬の空気に自然と溶け込む様な、成熟したカラーパレットで構成されているんです。
暗くなりがちな秋冬の装いに、品良く華を添えてくれる。そんな絶妙なバランス感覚です。
サイズ表記は "48"
日本サイズで "L ~ XL" 程度に該当するかと思います。
実寸値を見ても大きなサイズ感となりますので、大きな体型の方でも問題なくご着用頂けるかと思います。
当個体は、目立った汚れや傷等の見受けられない、ミントコンディション。
ピュアカシミヤ100%でこの状態を維持しているという事は、前のオーナーが相当大切に扱っていた事が窺えます。
素材の特性上、経年によるダメージが出易いカシミヤニットにおいて、ここまでの状態で残っている個体は中々お目にかかれません。
正直に申し上げます。
サイズが合う方が、お世辞抜きに羨ましい。
スコットランド生産時代のバランタイン、ピュアカシミヤ100%、マルチカラーのアーガイル、しかもHarrods別注のクルーネック。
これだけの要素が一着に凝縮される事が、果たしてこの先あるのかと考えると、もはや嫉妬すら覚えます。
アーガイルが好きな方、バランタイン製カシミヤニットの最高峰を肌で感じたい方、そしてこのサイズ感がドンピシャの方。
この出会いは、どうか逃さないで頂きたいです。