推定90年代頃、ZILLI(ジリー)製『カシミヤシルク ジップアップブルゾン』になります。
スペシャルアイテムの入荷です。
ZILLI(ジリー)とは、1965年、フランス・リヨンで誕生した"メンズ専業ラグジュアリー"の名門メゾン。
その原点にいるのは、北イタリア・リーヴェ=ダルカーノからリヨンに移り住んだイタリア人テーラー "Teofilo Zilli(テオフィロ・ジリー)"。
レザーの仕立てに非凡な才を持つ彼の工房に惚れ込んだのが、リヨンの服飾一家に生まれた "Alain Schimel(アラン・シメル)"。
1970年、シメルがこの工房に出資した事で、ZILLIはブランドとして本格的に動き出します。
ジリーが他と一線を画すのは、『革 = 装飾』ではなく『革 = 仕立て』と捉えた点。
シルクの裏地、着た瞬間の滑り、体温の抱え方まで計算された "内側の仕事" にこそ真髄があります。
1973年にペッカリー革、1982年にはクロコダイル革のジャケットをいち早く製品化し、エキゾチックレザーの高級既製服という未踏の領域を切り拓きました。
更に『ラグジュアリー・スポーツシック』という概念を提唱し、動ける服でありながら素材と工程が常識外れに贅沢というスタイルを確立。
1996年にはスーツ・シャツ・ニット・ジーンズ・靴まで拡張し、ワードローブ全体をジリーの温度で統一できる世界観を築き上げました。
リヨン近郊ダルディイのアトリエを中核に、ベルガモ、ペスカーラのイタリア工房と連携する仏伊二刀流の製造体制も特筆点。
2010年にはフランス政府『Entreprise du Patrimoine Vivant(EPV / 生きた文化遺産企業)』の認定を受け、"技術としての価値" が国家レベルで裏付けられています。
触れれば分かる説得力。
ジリーは、ラグジュアリーを記号ではなく "体感" として届けてくれるメゾンです。
そんなフランス・リヨンが誇る超高級メンズメゾン "ZILLI" より、極上の素材使いが際立つカシミヤシルクブルゾンのご紹介です。
いやぁ、これは参りました。正直に申し上げます。
今まで数多くのプロダクトをご提案してきましたが、手に取った瞬間に『あ、これは次元が違う』と直感的に分かる個体というのは、実はそう多くはありません。
当個体は、正にその稀有な一着でした。
『カシミヤ × シルク × レザー』という、最上級かつ全てが天然素材にて仕立てられた極上の逸品。
この素材構成を目にしただけで、ジリーというメゾンが何を大切にしているのかが明確に伝わってきます。
化学繊維に一切頼らず、自然界が生み出した最高峰の素材だけで一着の服を仕立て上げる。
それは単なる贅沢ではなく、『本物とは何か』という問いに対するジリーなりの回答なのでしょう。
素材の良さを最大限に発揮する為、無駄なディテールを一切廃したミニマルな佇まい。
流行に左右されない "本物志向" の方の為に仕立てられた当個体は、正にジリーのブランド哲学を体現している一着と言えます。
ボディの殆どを占めるシェル素材には、カシミヤ50%・シルク50%という極めて贅沢な混紡生地を採用。
カシミヤが持つ柔らかさと保温性に、シルクの滑らかな光沢と上品なドレープ性が加わる事で、単一素材では到達し得ない "奥行き" のある表情を実現しています。
触れた瞬間に指先に伝わる、しっとりとした質感。
これがねぇ、また良いんですよ。
パッと見ただけで高級感がある、でもイヤらしさはなく、大人の静かな色気と気品が同居している様な感じ。
正に "クワイエット・ラグジュアリー" という言葉がこれ程までに似合う素材は、そうそうお目に掛かれません。
そして随所に配されたレザーの存在が、このブルゾンに決定的な "格" を与えています。
袖口と裾に施されたレザーシャーリングは、通常のリブ編みとは一線を画す、ジリーならではの贅沢仕様。
シャーリング加工が施されたレザーが程よいフィット感を生み出しながら、同時に重厚感のあるアクセントとしても機能しており、"カシミヤ × シルク" の滑らかなボディとの素材コントラストが実に見事です。
袖口に配されたボタンタブ付きのレザーストラップも、さり気ないながらも『ここまでやるか』と唸らされるディテール。
更に、ボディ全体に走るレザーパイピングが、ヨーク部やアームホール周りの切り替えしラインを美しく際立たせ、シンプルなデザインの中に構築的な立体感を生み出しています。
裏地は驚愕の "シルク100%"。
シェルのクワイエット・ラグジュアリーな印象を裏切るかの様な、バロック調の総柄ライニングを採用してアクセント付けをしています。
ホワイトの地にゴールドとターコイズで描かれた、古代ローマを想起させる柱頭やメダリオン・螺旋の柱・宝飾モチーフの数々。
袖を通した瞬間、このシルクの滑りの良さに思わず息を飲みます。
外は漆黒のミニマリズム、内は絢爛たるバロックの世界。
この二面性こそが、ジリーの真骨頂であり、着る者だけが知る "秘密の贅沢" なのです。
裾部には、縦型のウェルトポケットを配置。
ハンドウォーマーとしても活用出来る実用的な設計です。
前合わせは、ジップファスナーによるジップアップ式を採用。
ジップスライダーには、金色に輝く "ZILLI" 刻印のオリジナルジップが奢られており、このさり気ない金具一つにもメゾンの矜持が宿っています。
襟裏にはゴールドの箔押しで "MADE IN FRANCE" の文字。
本国フランス製である事を静かに、しかし確かに主張しています。
カラーは "ダークネイビー" カラーの単色仕様。
限りなくブラックに近い深淵なネイビーは、光の加減によって微かに青味を帯びる、実に奥行きのある色彩です。
真のブラックではなく、ダークネイビーを選択している所にも、ジリーの美意識が透けて見えます。
黒よりも僅かに柔らかく、それでいて十分な重厚感を持つこの色味は、肌色を選ばず、あらゆるシーンにおいて上品な佇まいを約束してくれます。
"カシミヤ × シルク" の繊細な光沢と相まって、角度や光量によって表情を変える当カラーは、単なる『暗い色』という以上の深みと知性を纏っています。
正直なところ、外からの見え方以上に、着ている本人が一番幸福になれるブルゾンだと思います。
良い服を着るという行為が、自分自身への最上のご褒美になり得るという事を、この一着は教えてくれます。
素材の良さを体感したい。良質な衣服とは何なのか。
その答えを体験したい方にこそお勧めしたいブランドであり、当個体です。
サイズ表記は "54"
日本サイズで "XL ~ XXL" 程度に該当するかと思います。
実寸値を見ても大きなサイズ感となりますので、大きな体型の方でも問題なくご着用頂けるかと思います。
当個体は、目立った汚れや傷等の見受けられない、ミントコンディション。
裏地のシルクライニングに至るまで綺麗な状態を保っており、この年代のジリーとしては非常に良好なコンディションです。
この素材構成で現在仕立てたら一体いくらになるのか。
"カシミヤ × シルク" の混紡ボディ、オールレザーのシャーリングカフス・ウエスト、シルク100%の総柄ライニング、フランス本国の自社アトリエでの縫製。
正直なところ、想像もしたくないくらい高コストになる事が予想されます。
いや、そもそもこのクオリティを再現出来る工房自体が、現代においてどれだけ残っているのか。
日本に直営店を持たないジリーのプロダクトは、そもそも国内で出会う事自体が極めて稀。
ましてや本国フランス製、カシミヤ × シルクボディにシルクライニングという至高の素材構成を有した当個体は、探そうと思って見つかるものではありません。
当ショップでも滅多に入荷しない希少なアイテムとなりますので、お探しの方がいましたらこの機会をお見逃しなく。