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推定50年代頃、BIG MAC（ビッグマック）製『ブラックシャンブレー ロングスリーブシャツ』になります。

BIG MAC（ビッグマック）とは、1922年、アメリカの百貨店チェーン "J.C. Penney" によって創設されたワークウェア専業プライベートブランド。

創業以来、『実用性と耐久性』を最重要視し、正に "労働者の為の高品質ウェア" を提供する事に特化。
鉱山・鉄道・農場など過酷な現場を想定した設計のもと、ワークシャツ・オーバーオール・チョアコート等のワークウェアを大量展開しました。

J.C. Penneyの歴史と共に歩んできたビッグマックは、単なるユニフォームを超え、『労働服の象徴』として広く愛されていました。
"丈夫なコットン素材"・"サンフォライズド加工（生地の防縮加工）"・"ゆったりしたシルエット" など、機能性を突き詰める事で、当時の作業着市場をリードしました。

その最大の魅力は、"職人品質を量産体制で実現" するという思想。
厳しい現場でも壊れず、動きやすく、洗っても型崩れしない。
一言で言えば『作業服の工業工芸品』とも言える信頼性と完成度です。

素材と構造への拘りは、J.C. Penneyの広大な販売網を通じて多くの消費者に届きました。
そのシンプル且つ実用的なデザインは、ワークウェア専門ブランドと比肩して評価され、ヴィンテージ市場においても熱狂的に支持され続けています。

そんなビッグマックより、背面にチェーンステッチ刺繍が施された、ブラックシャンブレーシャツのご紹介です。

古き良きアメリカンワークの精神と、当時ならではのディテール美が随所に宿る、ヴィンテージならではの完成度を誇る一着。

襟元はクセのないレギュラーカラー仕様。

程良く角度のある開きと縦長のバランスは、クラシカルで落ち着きのある表情を生み出しています。

両胸部には、左右対称のフラップパッチポケットを配置。

ボタン留めでしっかりとホールド可能な作りは、ワークシャツとしての実用性を保ちながらも、ポケット自体の大きさや配置バランスが絶妙で、現代的なスタイリングにもすんなり馴染む仕上がりです。

袖口には、2つボタンのカフスが配されており、微調整が可能。

裾には、1950年代特有のマチ付きサイドスリットを採用。

ステッチ幅や縫製の仕上げにも当時の手仕事の丁寧さが垣間見え、服そのものに "説得力" を持たせています。

当個体の最大の特徴は、背面に大きく施されたチェーンステッチ刺繍。

鮮やかなライトグリーンで描かれた『AMERICAN Transformation』の文字と抽象モチーフが、ワークシャツでありながらどこかボウリングシャツやカスタムシャツを思わせる装飾性を加味しており、単なる実用服にとどまらない、当時の自由なカルチャーの空気を感じさせます。

首元内側には、白地に青色・赤色の "PENNY'S ・ BIG MAC" 製の "プリントタグ" が付属。 

全体的にやや縦長の細身シルエットとなっており、着丈に対して身幅を絞った設計が、タックイン・アウトどちらにも対応できる構造となっています。

当個体は "コットン100%" のブラックシャンブレー生地を採用。

ヴィンテージならではの粗野な織り目が特徴で、まるでリネンの様なナチュラルな凹凸感を伴う質感。
ワークウェアらしいタフさを備えながらも、軽やかなドレープと程よい柔らかさが共存しており、着込む程に身体へと馴染んでいく経年変化も大きな魅力の一つです。

カラーは、深みのあるチャコールグレーカラー。

単なるグレーでもブラックでもない、"中間色ならではの奥ゆかしさ" を纏った色調。

ブラックとホワイトの糸を交互に打ち込んだ杢調のシャンブレー織が、光の加減でさまざまな表情を見せ、角度によっては墨黒やダークグレーにも見える繊細な色の揺らぎを感じさせます。

更に背面に施された鮮やかなグリーンのチェーンステッチが、モノトーンの中に独特のアクセントを添え、全体のトーンを引き締めつつもアメリカンヴィンテージ特有の "遊び心" を静かに主張。

サイズ表記は確認出来ませんが、日本サイズで "S ~ M" 程度に該当するかと思います。

実寸値を見ても小さめのサイズ感となりますので、小柄な体型の方でしたら問題なくご着用頂けるかと思います。

汚れ等の使用感はありますが、着用に問題のある大きなダメージは見受けられませんので、まだまだご着用可能かと思います。

時代を超えて語り継がれる、アメリカンワークウェアの真髄。

1950年代製『BIG MAC』の一着は、当時の職人技と実用性を今に伝える希少なヴィンテージピース。
その中でも、背面に大胆なチェーンステッチを施したカスタム仕様はごく僅か。

量産品では味わえない、個体毎の経年と風合い。
ヴィンテージをただの "古着" として捉えない方にこそ手に取って頂きたい逸品です。