推定90年代頃、allegri(アレグリ)製『M-65タイプ ブラックナイロンジャケット』になります。
allegri(アレグリ)とは、1954年にイタリア・トスカーナ州ヴィンチで創業者である "Allegro Allegri(アレグロ・アレグリ)" と "Renato Allegri(レナート・アレグリ)" の2人が立ち上げた、イタリアを代表するレインウェア / コート専業ブランド。
創業まもなく ナイロン製レインコートで成功を収め、1950年代後半〜60年代にかけて単なる防水衣の域を越え、"トレンチコート文化" の担い手として国際的に存在感を高めていきました。
このブランドの最大の魅力は、アトリエの精密さ(型紙・縫製・素材設計)を、工業レベルの再現性へと翻訳する運転術にあります。
言い換えれば、"テクニックを日常の規格にまで落とし込む" という姿勢。
水・防風・通気といった実用要件を満たしながら、都会でこそ映える流線的なシルエットへ着地させる。
その "機能と所作の二重奏" こそが、アレグリの本質です。
歴史を振り返れば、名だたるデザイナーとの協働がブランドの推進力でした。
1976年には、当時新鋭だった "Giorgio Armani(ジョルジオ・アルマーニ)" を起用(のちも継続的に関与)。
1988–1991年は "Romeo Gigli(ロメオ・ジリ)" 、1992–1998年は "Massimo Osti(マッシモ・オスティ)" と組み、アレグリ家の持株会社 DISMI 92 S.p.A. のもとで "Left Hand(レフトハンド)" を始動。
更に1993–1998年は、"Martin Margiela(マルタン・マルジェラ)" 、2005–2008年は "Viktor & Rolf" と、時代ごとの先鋭と対話を重ねてきました。
アレグリとは、雨を味方に付ける為のコートを、テキスタイル研究とモダンなテーラリングで磨き込んできたブランドです。
ナイロンや高機能素材で培った耐候性と、無駄を削ぎ落としたラインが交差するその一着は、ワードローブに "静かな説得力" を与えてくれるはず。
イタリアが誇るコート専業の老舗として、今なお機能と美の交点を更新し続けています。
そんなアレグリより、アメリカ陸軍の銘品である "M-65 Field Jacket" をモチーフとしたナイロンジャケットのご紹介です。
1965年、米陸軍の規格『MIL-C-43455』のもとに開発された "M-65 Field Jacket" 。
前身のM-51からの改良点として、立ち襟内にジップ収納出来るフード・前立てのジップ+スナップのストームフラップ・4つのフラップポケット・ウエスト&裾のドローコード、そしてベルクロ式カフスを備え、ベトナム戦線で広く運用されました。
素材は当時のオリーブ(OG-107)色の50/50コットン×ナイロンサテン(NYCO)が基本で、冷え込みにはボタン留めの着脱式ライナーを追加する構成。
現在までファッションに強い影響を与え続ける、機能性と普遍性を併せ持つ名作です。
当個体も "U.S.ARMY M-65 Field Jacket" の特徴的なディテールと同様に、スタンドカラー・エポレット・計4つのフラップポケット等のディテールが詰め込まれた1着。
たっぷりとボリュームを持たせたスタンドカラーは、外周に走るメタルジップを開くと内蔵フードが出現。
咄嗟の雨風にも即応でき、襟を立てた時のシャープなラインが、顔まわりを凜と引き締めます。
肩部には、ボタン留めのエポレットが付属。
M-65の記号性をさりげなく主張しつつ、ボディ同色のミニマルな見え方で上品に収まります。
両胸部にはフラップ付きのパッチポケット、両裾部にもフラップポケットを配置。
角をほんの少し落としたフラップ形状と均一な運針が、無骨さを良い意味でトーンダウン。
実用容量を確保しながら、前身頃の面構えをフラットに整えています。
脇下にはハトメのベンチレーションホールを設け、内部の熱気と湿度を効率良く排出します。
袖口は、ベルクロタブでワンタッチ調整。
フィールドでは風の巻き込みを抑え、街中では袖丈の微調整にも便利です。
内側ウエスト部のドローコードは、レイヤード量に応じてシルエットを絞ったり緩めたり—見た目と体感温度を同時にチューニング出来ます。
内装は、縦方向のキルティングライニング仕様。
中綿の "面" で体温を均一に保ちつつ、軽さを損なわない設計。
首元内側には、ブランド名である "allegri" の記載がされた、ブランドタグが付属。
当個体は、"ナイロン100%" 生地を採用。
高密度に織り上げられたタフタ調の生地は、手に取った瞬間に分かる軽さとコシを兼ね備え、表面はサラリとしたドライタッチ。
ナイロン特有の耐摩耗性と復元力により、日常の擦れや畳みジワにも強く、着用を重ねてもフォルムがだれにくいのが魅力です。
密度の高い生地組織は風をしっかりといなし、汗や雨に濡れても乾きやすい速乾性を発揮してくれます。
動きに合わせて微細なシワが寄り、縫い代や接ぎに沿って "アタリ" がうっすらと現れていく為、使い込む程に陰影が増す表情の変化もお楽しみ頂けます。
軽量で取り回しが良く、街でも旅でもストレスを感じさせない実用素材と言えるでしょう。
カラーは、深く沈み込む様なブラックカラー。
マット寄りの鈍い艶が生地の凹凸を優しく拾い、光の角度によって縫い目やフラップのエッジが細いハイライトとして浮かび上がります。
ワントーンの中にも金具の落ち着いたメタルの輝きがアクセントとして点在し、無骨さを抑えたモードな佇まいへ。
暗所では引き締まり、自然光の下では陰影のグラデーションが際立つ。
主張しすぎず、埋もれもしない "品のある黒" が、スタイリング全体を端正に纏め上げます。
ジーンズやチノパンと合わせて軽快に。
スラックス等の綺麗めアイテムを添えれば、ぐっと上品なムードに振れます。
幅広いアレンジに応える汎用性があり、ワードローブの軸として頼れる一着です。
質の高さと普遍的なデザインを兼ね備え、流行に左右されない存在感。
永い期間、相棒の様にご愛用頂けるかと思います。
サイズ表記は "48"
日本サイズで "L" 程度に該当するかと思います。
実寸値を見ても大きなサイズ感となりますので、大きな体型の方でも問題なくご着用頂けるかと思います。
小穴等の使用感はありますが、着用に問題のある大きなダメージは見受けられませんので、まだまだご着用頂けるかと思います。
数あるイタリアンアウターの中でも、機能と所作の二重奏で別格の支持を集める "allegri"
1954年創業の専業ならではのテキスタイル研究とモダンなテーラリングは、M-65という普遍に現代の洗練を与えます。
当ショップでも入荷の少ない希少なアイテムとなりますので、お探しの方がいましたらこの機会をお見逃しなく。