推定90年代頃、DRIES VAN NOTEN(ドリス・ヴァン・ノッテン)製『ミックスドコットンベロアベスト』になります。
DRIES VAN NOTEN(ドリス・ヴァン・ノッテン)とは、1986年にデザイナー "Dries Van Noten(ドリス・ヴァン・ノッテン)" がベルギー・アントワープで創設したラグジュアリーブランド。
三代続く仕立ての家系に生まれ、"Royal Academy of Fine Arts Antwerp(アントワープ王立芸術アカデミー)" でファッションを学んだのち、同年にファーストメンズコレクションを発表してブランドを出発させました。
以後、メンズ / ウィメンズのコレクションを継続的に発表し、2004年には50回目、2017年には100回目のショーという節目を刻んでいます。
キャリア初期、ドリスは同世代の気鋭デザイナーと共に、1986年ロンドンの『The British Designer's Show』に乗り込み、異例の注目を集めます。
やがて彼らは "Antwerp Six(アントワープの6人)" と称され、アントワープを世界のファッション地図に載せる存在となりました。
メンバーは、 "Ann Demeulemeester(アン・ドゥムルメステール)"・"Walter Van Beirendonck(ヴァルター・ヴァン・ベイレンドンク)"・"Dirk Bikkembergs(ダーク・ビッケンバーグス)"・"Dirk Van Saene(ダーク・ヴァン・サーネ)"・"Marina Yee(マリナ・イー)" 、そしてドリス。
オーセンティックとアヴァンギャルドの緊張関係を軽やかに横断する提案で、80年代後半のファッションに新しい文脈を拓きます。
その後も、ドリスはテキスタイル表現と色彩の化学において比類ない言語を磨き上げました。
刺繍やスパンコール、民族的モチーフを現代に調合する手つきは、単なる装飾ではなく『素材そのものが語る構築美』へと昇華されます。
2014年にはパリの "Musée des Arts Décoratifs" にて大規模展 "Dries Van Noten: Inspirations" を開催。
ドリスの内部に眠る参照系 —— アート、映画、音楽、歴史服飾 —— と作品の呼応関係を解き明かした本展は、彼の創作が "ラグジュアリーとアートの交差点" に立つ事を強く印象づけました。
ドリス・ヴァン・ノッテンとは、色・素材・刺繍、そして静かな構築。
過剰である事と節制である事、その両極を往復しながら、服が纏う "時間と記憶" を更新し続けてきたブランドです。
ドリス本人が退任した今、アーカイヴとその系譜はこれまで以上に価値を帯び、コレクションは "長く愛されるタイムレス" として新たな光を得ています。
そんなドリス・ヴァン・ノッテンより、テキスタイルそのものを主役に据えた、同ブランドらしい装飾性の高い1着のご紹介です。
まず視線を奪うのが、前身頃に施された格子状の刺繍。
前立てを軸に上下左右へ広がるステッチワークは、線の太さと運針の密度を微妙に変えながら面の陰影を作り、ベロアの毛足の起伏と相まって立体的な表情を生み出します。
遠目には端正、近くで見る程奥行きが増す、正に当個体のハイライトと言えます。
両裾部には、小ぶりなポケットを配置。
縁を僅かに厚み付ける事で線がくっきり立ち、ドレスベストの端正さを踏襲しつつも、カジュアルにも振れる懐の深さを持たせています。
アームホール部は、チャコール系の別布でのパイピングが施されており、色面にリズムを与え、肩周りの擦れにも強い実用的な補強を兼ねています。
後身頃は、艶のある別布に切り替え。
ベージュ系の滑らかな生地がインナーとの摩擦を抑え、上からジャケットを重ねても収まり良く着用可能。
背面両裾部には、ボタンのタブが配され、装飾と補強を両立させたドリスらしい遊び心が覗きます。
前合わせは、Vゾーンを美しく見せる5ボタン留めによる開閉式。
手縫い風のキーホールボタンホールと程良い厚みの4つ穴ボタンで、留め外しの所作が心地よい仕上がりです。
首元内側には、1990年代頃までに見られる "D・V・N" を重ねた旧ロゴタグが付属し、ブランド黎明期を物語るディテールで、コレクションピースとしての価値も感じられます。
また、"MADE IN BELGIUM" の表記が施された、誇り高き本国ベルギー生産を証明しています。
当個体は、"コットン90% × モダール10%" のベロア生地を採用。
きめ細かな毛足がみっちりと起ち上がる事で、指先で撫でる度に方向性のある陰影が生まれるリュクスな質感です。
コットン由来のしっかりとしたコシに、モダール特有の落ち感としなやかさが加わり、身体のラインに沿って柔らかく馴染むのが魅力。
カラーは、蜂蜜を焦がした様なアンバーブラウンカラー。
単なるブラウンでは語りきれない琥珀色の奥行きがあり、光の当たり方や毛流れの向きで濃淡が滑らかに入れ替わります。
トーン・オン・トーンで走る刺繍が品良く浮かび上がり、温もりとモード感が同居する独自の存在感を演出。
主張しすぎず、埋もれもしない。
落ち着きの中に潜む "品のある異質さ" を湛えた絶妙なカラーリングとなっています。
ジーンズやチノパンと合わせて軽快に。
スラックス等の綺麗めアイテムを添えれば、ぐっと上品なムードに振れます。
幅広いアレンジに応える汎用性があり、ワードローブの軸として頼れる一着です。
質の高さと普遍的なデザインを兼ね備え、流行に左右されない存在感。
永い期間、相棒の様にご愛用頂けるかと思います。
サイズ表記は "50"
日本サイズで "M" 程度に該当するかと思います。
実寸値を見ても日本人体型に合うゴールデンサイズかと思いますので、幅広い体型の方にご着用頂けるかと思います。
ラグジュアリーブランドらしく、是非とも上品にジャストサイズでご着用頂きたい1着です。
汚れ等の使用感はありますが、着用に問題のある大きなダメージは見受けられませんので、まだまだご着用可能かと思います。
数あるコンテンポラリーブランドの中でも、色彩とテキスタイルの化学で別格の位置付けを持つ "DRIES VAN NOTEN"
様々なカルチャー・テイスト・時代を融合させてシーズンを作り続けている、唯一無二のラグジュアリーブランドを是非ともご体感下さい。
特に旧ロゴタグを備えた本国ベルギー製の90年代頃までの個体は、コレクション的価値が高く市場流通もごく僅かと言えるでしょう。
当ショップでも滅多に入荷しない希少なアイテムとなりますので、お探しの方がいましたらこの機会をお見逃しなく。