推定90年代頃、SERAPHIN(セラファン)製『ディアスキンレザージャケット』になります。
スペシャルアイテムの入荷です。
SERAPHIN(セラファン)とは、1975年に "Henri Zaks(アンリ・ザックス)" 氏によってフランス・パリで立ち上げられた、レザーウェアの専門メゾン(=マニュファクチュール)です。
工房を構えるのはパリ10区、運河沿いの『Quai de Valmy(ケ・ドゥ・ヴァルミ)』周辺。
ここはナポレオン時代から革なめしや革職人が集まっていたとされる、いわば "パリのレザー産業の記憶" が残る場所でもあります。
セラファンの本質は、単に『上質な革』を使う事ではなく、革を "生地" として扱い、テーラリングの論理で服に落とし込む所にあります。
実際、創業者のアンリ・ザックス氏は1960年代からレザーウェアの現場でキャリアを重ね、1975年に自身の工房を構えた人物として紹介されており、彼の仕事は "限られた人しか辿り着けないアトリエ" で静かに評価を高めていった、と語られています。
そのクラフツマンシップを象徴するのが、『パリの自社アトリエで、裁断から縫製までを完結させる』という姿勢。
セラファンは、全ての衣服をパリの自社工房で設計・裁断・製作し、最初から最後まで一人の職人が一着を仕上げるという思想を掲げています。
だからこそ、着た瞬間に分かる "線の綺麗さ" と、革特有の重さが嫌味にならない "軽やかさ" が同居する。
レザーなのに、どこか上品で、どこかエレガントなのです。
更に特筆すべきは、その "規模感" 。
セラファンは大量生産のブランドではなく、生産の多くを自社ブランドに割きながらも、外部クライアントの仕事も抱える、小さく強いマニュファクチュールとして言及されています。
つまり、世に出回る数が多くない。
この希少性こそ、古着・アーカイブ市場でセラファンが特別視される理由の一つと言えるでしょう。
そして "権威性" という意味では、セラファンは更に一段階上にいます。
英 Financial Timesでは、アンリ・ザックス氏が "Hermès" を含む複数のラグジュアリーブランドの仕事を担ってきた、と報じられています。
ブランド名が前面に出ない領域で選ばれ続ける。
それは、技術と品質が『説明不要』で通用している証拠です。
素材面でも、セラファンは "革の選び方" が別格。
化学的な加工を好まず素材の風合いを活かす姿勢や、世界各地から最良の皮革を探しに行くというスタンスは、多くの取扱店・紹介記事でも共通して語られています。
派手なロゴで主張するのではなく、革の表情・艶・ドレープの出方で『分かる人に分かる』説得力を作る。
これがセラファンというブランドの美学です。
"レザーウェアは重い・硬い・着疲れする"
その先入観を、静かに覆してくれるブランドがセラファン。
シンプルな装いでも、羽織った瞬間に全体の格が上がる。
ラグジュアリーを声高に語らず、仕立てと素材で黙らせる。
そんな一着を探している方には、これ以上ない選択肢かと思います。
そんなセラファンより、極上のレザー生地で仕立てられた一着のご紹介です。
"ジャケットとハーフコートの中間"
そんな言葉がしっくり来る、肩の力が抜けたロングバランスのレザージャケットです。
フロントの表情はミニマルで、目立つポケットは 裾の大型フラップポケットが2つのみ。
容量のあるポケットを低い位置に落とし込む事で、視線が縦に流れ、レザーアイテム特有mの "重さ" を軽減。
トレンドに左右されない普遍性は、この引き算の美学から生まれています。
更に身頃に走る、横段の切り替え(パネル構成)もさり気ないながらも秀逸。
一見シンプルなのに、光の乗り方で陰影が変わる。
その奥行きが、単なるプレーンコートでは終わらない洒落感に繋がっています。
前合わせは、潔い4つボタン留めでの開閉式。
ジップや余計な装飾に頼らず、ボタンのリズムだけで "面" を整える設計が、セラファンらしい端正さを際立たせます。
また、当個体は "MARIE-LOUISE" 表記が入る別注個体。
裏地側に『MARIE-LOUISE / HASSELT』のネーム、併せて『Manufacture SERAPHIN / France』のタグが付属し、当時の小売店(もしくはセレクトショップ)経由で誂えられた空気感をしっかり残しています。
生地には恐らく "Deerskin(ディアスキン)" を使用。
鹿革は雌雄を限定せず "鹿由来の革" を指し、繊維がきめ細かく絡み合う事で、驚くほど軽やかで、しなやかな追従性とタフさを両立します。
袖を通した瞬間から身体の動きに寄り添う様な "落ち感" が出るタイプで、レザー特有の突っ張りとは無縁。
"レザーのカシミア" と呼ばれる所以も、納得の肌当たりです。
加えて、粒立ちのあるシボが陰影を刻み、着用を重ねる程に艶がじわりと立ち上がる。
ブラックレザーでありながら表情がのっぺりせず、経年で増す奥行きまで楽しめる素材感です。
本革という事を疑う様な軽さ・柔らかさを持ち合わせており、非常に軽やかでノンストレスの着心地を実現しています。
レザーアイテムは革質が硬く敬遠されている方が多くいるかと思いますが、当個体に関してはその心配は無用です。
裏地は、ビスコース素材のキルティングライニングを採用。
セラファンらしい実用性に加え、背中一面に入るグラフィックが、表の静けさとは対照的な遊び心として効いています。
内側にはジップポケットも備わり、こういう "見えない便利さ" が日常使いの完成度を底上げしてくれます。
カラーは、深みのあるブラックカラー。
一言で黒と言っても、これは "墨" の様に濃度のあるブラック。
光が当たる箇所だけが静かに艶めき、シボの起伏がグラデーションとなって浮かび上がる為、角度で見え方が変わります。
重さよりも、輪郭のシャープさが先に立つ。
そんな精悍さを纏った黒と言えるでしょう。
シンプルで一生使える上質なレザーアイテムをお探しの方にはピッタリな逸品です。
サイズ表記は "52"
日本サイズで "XL ~ XXL" 程度に該当するかと思います。
実寸値を見ても大きなサイズ感となりますので、大きな体型の方でも問題なくご着用頂けるかと思います。
ボタン欠損等の使用感はありますが、着用に問題のある大きなダメージは見受けられませんので、まだまだご着用可能かと思います。
エルメスも認める最高級レザーファクトリーブランド "SERAPHIN"。
正に "一生モノ" のレザージャケットに相応しいクオリティを生み出す、セラファンの魅力を存分にお楽しみ下さい。
流行り廃りのない上質なレザーアイテムをお探しの方がいましたら、是非とも当ブランドの最高峰レザーアイテムをお見逃しなく。